映画「長いお別れ」の原作者の作家中島京子さん(55歳)のことを新聞で読んだ。(2019年11月13日 朝日新聞夕刊)。
この記事のタイトルは、「連続性とおかしさ 父との日々」というものだった。「連続性」という言葉に惹かれた。認知症の専門医であった長谷川和夫さん(聖マリアンナ医大名誉教授)が自ら認知症になったことはこのブログで紹介した。長谷川さんは、「認知症になっても、まったく別の人間になるのではなく連続している気がする。だから、身内のひとが認知症になったとしても周りの人は普通に接して欲しい。」という意味のことを書いていた。そのことと、中島京子さんの「連続性」は符合している。中島さんはこう述べていた。新聞記事から採録する。
私が抱いていた認知症のイメージと、父の介護で経験したことの間にずれがあった。それが小説『長いお別れの』(2015年刊)を書こうとしたきっかけです。
中島さんのこの小説は、新百合ヶ丘の日本映画大学出身の中野良太監督が映画にした。栄華の中でも認知症の父親は「連続性」と悲惨なだけでなく何故かひとの「可笑しさ」と「哀しさ」を現わしていた。この本と映画のタイトルの「長いお別れ」は英語の「ロング・グッドバイ」からとったという。
■資料年表:認知症関連■
1963年 老人福祉法制定。特別養護老人ホームやホームヘルパーが制度化。
1970年 65歳以上人口7%突破。「高齢化社会」へ。
1972年 有吉佐和子『恍惚の人」刊行。
1980年 「呆け老人を抱える家族の会」(現・認知症の人と家族の会)発足。
1995年 佐江衆一『黄落』発行。
1997年 認知症グループホームが制度化。
2000年 介護保険制度開始。成年後見制度も導入。
2004年 国際アルツハイマー病協会国際会議で認知症の人が語る。厚生労働省が「痴呆」を「認知症」に呼び名変更。
2007年 65歳以上の日本の人口が21%突破。「超高齢化社会に」。
2014年 認知症の人たちが「日本認知症ワーキンググループ」設立。
2015年 認知症国家戦略「新甥レンジプラン」公表。
2025年には65歳以上の5人に一人、約700万人が認知症になるとの推計。
2016年 認知症の人が単独外出中の鉄道事故で、家族に賠償責任はないとする最高裁判決。
1970年
(更新予定)