TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

連れ合いと生きる!

 佐川啓介「娘になった妻,のぶ代へ」を読んだ。この本はNHKテレビの初代体操のお兄さんで知られた佐川啓介さんが、認知症を患った妻の大山のぶ代さんの介護記録を本にしたものである。

 「僕が一生、必ずペコの面倒をみるからな!」
 「僕は、絶対にペコより先に死なないから、安心しろよ!」
 (佐川さんは奥さんのことをペコと呼んでいた)

 高らかにこう宣言できたらカッコイイのだろうが、世の中に、絶対はないし、大病を何度も患い、間もなく80歳を迎える今の僕には、残念ながら100%の自信があるとは到底言いがたい。

 この本は2015年10月に発行された。その2年後の2017年7月に佐川さんは尿管がんのために逝去された。のぶ代さんを残して旅立った佐川さんの無念さはいかばかりか。この本には、大山のぶ代認知症」介護日記、との副タイトルがついている。大山のぶ代さんはテレビのドラえもんの声優として有名である。あの独特のドラえもんの少ししゃがれてトボケタ声は大山のぶ代さんの声だったのだ。この本は、第一章 失われた「ドラエモンの記憶」、第二章 おしどり夫婦と呼ばれて、第三章 カミさんの病、 第四章 認知症との闘い、第五章 公表を決意して、 第六章 我が家にやってきた娘、第七章 ペコと僕の未来、の構成になっている。二人の間には子どもがいない。いや、一人は流産して、二人目は未熟児でうまれ三カ月で早世している。文字通り二人は連れ合いとして連合して50年を」生きてきたのだ。佐川さん28歳、4歳年上ののぶ代さんが32歳のときに共演が縁で結婚している。二人目のこどもを失ったあと今後妊娠する母体が危ないと医師にいわれた。以降二人は結婚していても夫婦別寝室の生活をおくってきたと言う。それでもオシドリ夫婦なのである。随分まえから認知症になったのぶ代さんは、時には便失禁しても認識しない。それを佐川さんはひとりで抱えて世話をしている。連れ合いとは連れ合って生きていくのだから当然と言えば当然だが壮絶である。

 「お前に佐川さんと同じことができるか?」と問われれば、「やります」と応えるが、本当にできるかどうかは難しいだろう。上記の本を読んでから、文藝春秋の2017年9月号に、大山のぶ代さんのマネージャーの小林明子さんが手記を寄稿していたのを捜して再読してみた。「夫の死を理解したののかどうか・・・・」、大山のぶ代は夫の棺に涙ぐんだ、とタイトルに書いてあった。しかし、「すぐにスタスタと歩き始めていました」ということが書かれていた。多分、夫の死を理解していなかったのだろう。

 閑話休題。何はともあれ、上に紹介した本を読みながら、連れ合いと生きる意味と幸せを僕は考えてみた。