TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「肝炎ウイルス感染」に関連して

 本日の朝日新聞(2020.1.4)Be欄「はてなスコープ」で「肝炎ウイルス感染について」の記事を読んだ。服部尚さんという記者の署名記事だ。興味があるので要所を引用しながら知識をまとめておきたい。

 「肝硬変や肝臓がんの原因になる肝炎ウイル。よく知られるB型やC型の感染者は減っています。これに伴い、ウイルス感染が原因で肝臓がんになる患者も減っていくと見られますが、果たしてこのまま病気を撲滅できるでしょうか。」
 冒頭のかきだしは上のようだ。

 「B型は出生時の母子感染と幼少時の同一注射による予防注射などで広がりました。C型は、ウイルス発見前の輸血などの医療行為と、入れ墨などの観血的な行為が感染源となりました。」
 上の記述は記者が埼玉医大の持田智教授(消化器内科)に聞いて纏めた記事だ。B型肝炎は、「出生時の母子感染」というのは垂直感染と言われている。「幼少時の同一注射による予防注射」では何のことか分からない。「同一注射器の使い回しにより広がった」と明確にしないと読者には伝わらない。「C型は、ウイルス発見前の輸血などの医療行為と、入れ墨などの観血的な行為が感染源となりました。」との記述も間違いではないが説明不足だ。C型肝炎ウイルスは新たに発見されたわけではい。それまで非A非B型肝炎ウイルスと呼ばれていた未知のウイルスが確認されて「C型肝炎ウイルス」という呼称になったわけだ。輸血に用いられた輸入血液製剤C型肝炎ウイルスが含まれており、それが感染原因となった。そのことを明確に書いてくれないと読者には分らない。「入れ墨などの観血的な行為が感染源となりました」とあるのは間違いではないが、原因としては少数だろう。それよりもC型肝炎ウイルスも B型と同じく同一注射器の使い回しが原因の多くであったのではないだろうか? 実際、齢73歳の私の小学校時代(昭和20年代後半)にはBCGワクチン接種は同じ注射器で、列に並んでるゴ人くらいの子どもたちに行っていた。このためにC型肝炎ウイルスのキャリアは70歳、80歳台が多いのだと思う。

 「治療に関しては、C型は飲み薬でウイルスをゼロにすることが期待できます。」
 ハーボニー、マヴィレット等の飲み薬の登場でC型肝炎は治る見込みがでてきた。「B型の治療では、2000年代にウイルスの増殖を減らす効果のあるのみ薬が登場しました。ただ、完全に除去できないため、原則的に生涯のみ続けなくてはなりません。」
 この記述からみても、B型肝炎ウイルスのほうが今後は治療の進展が待たれる。

 広島大の田中純子教授(疫学・疾病制御学)らによる厚生労働省調査研究班の調査結果が以下のようだ。「2000年時点でのキャリアは、B型とC型で計300万~370万人と推計。これに対して、2011年では209万人~284万人と、10年で約100万人が減っている。」
 2000年~2011年の10年間で100万人減ったのは画期的だ。それでは、2011年~2019年までの8年間の推移はどうなのだろう。C型肝炎ウイルスに対して、インターフェロンを用いない飲み薬が登場したのは2014年以降であるから、むしろこの間にC型肝炎ウイルス感染者の推移を知りたいところだ。