TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「認知症当事者はいま」(朝日新聞 夕刊)に触発されて書く

 私は呆け老人の入り口にいるらしい。「認知力落ちているんだから・・。あんたが呆けたら面倒なんかみないわよ」わが連れ合いは宣うのである。実際、車の運転が下手になって生協の駐車場の出口から入りそうになったりしたことがある。

 3月2日(月)の朝日新聞夕刊の「現場へ」という連載企画で、「認知症当事者はいま」という興味深い記事の掲載が始まった。生井久美子さんという記者の署名記事だ。生井さんは、老人介護など社会面の記者だ。認知症当事者の丹野智慧文さん(46歳)は、39歳で認知症と診断されて今月で7年になるのだと言う。仙台の自動車販売会社の営業職でトップクラスの営業マンだったのだという。」なんで、39歳で認知症になるのだろうか? 丹生さんが現在に至るきっかけは、「認知症の人と家族の会」で、診断5年後でも元気で明るく生きる竹内裕さん(70歳)に出会って、「この人のように生きたい」と思ったからだと言う。丹野さんは、認知症の当事者として、講演活動を行っている。丹野さんは、家族もいるし、仕事も継続している。勤め先の、「ネッツトヨタ仙台」では、認知症にかかわる活動(講演や自治体の委員など)を「仕事」として認めて貰ったとのことだ。流石にトヨタだ。

 「講演では、進む症状をありのままに語る。会社に行くと自分の席も上司の顔も名前もわからない。・・・最近は家族の顔もあれっと思う時がある。」こんな、丹野さんの拠点は、仙台市泉区の「いずみの杜診療所」だ。ここは、仙台市精神科医、山崎英樹さん(59歳)が作ったデイケア診療所だ。山崎さんは、認知症の当事者丹野さんと出会って、「医療者として勝手に抱いていた偏見や人間への絶望感を吹き飛ばされた」のだと言う。それは、「天の岩戸が開いたような衝撃で、僕自身が解放されていった」と語っている。

 良い記事に出会った。認知症を過剰に恐れるのではなく、ひとの生きていく継続性の中に位置づけて考えることが大切だと知った。