TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「きれぎれ」(町田康)を買ってきて読んだ!

 「くっすん大黒」を読んでから、「きれぎれ」で芥川賞を2000年にとったというので読んでみたいと思った。ネットのブックオフで125円だったが送料を入れると500円を越えるので見送った。昨日、合気道の帰りに新百合が丘のブックオフで探したら291円だった。

 税込みで320円なので早速買って読んだ。文体も書き方も最初の「くっすん大黒」と同じ流れだ。訳がわからぬ語りに引き込まれ最後まで読んでしまった。解説を池澤夏樹さんが、「没落者の嘆きの歌」という表題で書いていた。池澤さんは町田さんが芥川賞をとったときの選考委員のひとりだからその縁で解説をかいたのだろう。

 「町田康は最初から作品の型を確立していた。一見したところ口語的なだらだら喋りに見えて実は計算のゆきとといた、音楽的によく響く,凝った文体。豊富な古典的語彙と常套句に支えられた、徹底一人称による、ことの成り行きのベタな記述。主人公の思惑と現実との間に次々に生じるズレ。限りなく増速する失敗談。・・」

 流石に、上手な解説だ。だらだらした語り口は実は計算されて書かれているのだという。たしかに、気持ちのよいいようなリズム感のある文体。これは私にも分った。

 「きれぎれ」は芥川賞に選ばれたのだから高く評価されたということだ。その結果として、町田康は作家として30数年を生きてきて今は58歳ということだ。「きれぎれ」を読んでも、何を言いたいのか、何を切り取っているのか、実のところはわからんのだが読んだ。

 そもそも、町田康を読み始めたのは、「しらふで生きる」を読んだからだから、それには感謝感激である。今日も飲んでいないので、食後に本は読めるし、ブログもかけるのである。酒が飲みたくなると、「おれはアホである。連れ合いのモラハラ発言にも耐えられる。アホな俺の連れ合いを40数年もやってくれているのだから感謝感激だね。飲んでもなまなくても人生は淋しい、と教えてくれた。」と思うと飲まずに本が読める・・・。