TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

藤原書店のことについて私が思うこと

藤原書店のことについて私が思うこと

 

 多田富雄さんと石牟礼道子さんの「言霊ことだま」という本を読んだことがある。この本を出した出版社が藤原書店だった。このとき渋い本を出す出版社だなと思った。これは対談ではなくて多田さんと石牟礼さんの「往復書簡」だった。

「免疫学の世界的権威として、生命の本質に迫る仕事の最前線にいた最中、脳梗塞に倒れ、右半身麻痺と構音障害・嚥下障害を背負った多田富雄さん。倒れたのは富山市での学会の出張先だった。」

   この本を2年くらい前によんでこのブログでも少しとり上げた。実のところその重みを私自身は咀嚼しきれてはいなっかった。こんな記憶が残っている。
 昨日の朝日新聞の「be on Saturday」という欄で、「時空を超えて言論を育む―藤原良雄(71歳)」という記事を見つけた。藤原書店社主とのことだ。ここで,言霊の藤原書店と繋がった。

  私の記憶と記録のためにこの記事から紹介しておきたい。
 藤原さんは私より2歳も若い。大阪府吹田市の生まれ。大阪市立大を出て、1973年に人文社会系の「新評論」(東京都新宿区)に入社した。この出版社は戦時下の言論弾圧を体験した美作太郎さんが興した出版社だという。美作さんの死去を機に、1989年に独立したのだと言う。社員なしの一人だけの旗揚げだった。こういう出版社の方もいるのだと感じ入った。(藤原書店は)社員10人。生まれた戦略が「小部数、高定価」。1冊千円で一万部売るより5千円で2千部売る。「売り上げ額は同じ。流通コストを考えると後者の方が利益率が高い。なるほどと、その理念はわかってもとりずらい戦略だ。
 「出版とは時空を超えた言論の場。社会に問題を提起する文化活動だ」というのが持論のようだ。こういう出版人もいるのだ。たしか、「環」という雑誌も出していると思う。藤原書店の刊行物に注目をしていきたい。
(2020.3.21)