TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

桐野夏生さんの「藤田宜永さん追悼」を読んで思うこと

 2020年1月30日に逝去された作家の藤田宜永さんのことは既にこのブログで一度触れた。桐野夏生さんが本日(2020年3月28日)の朝日新聞「ひもとく」という欄で追悼文を書いていたのを読んだ。桐野さんは女性作家である。数年前に文藝春秋で、浅間山荘事件を題材にした小説を連載していたのを、途切れ途切れに読んでいた。単行本になったので全貌を読んで見たいが未だ果たしていない。

 さて、桐野さんの追悼文は、「反恋愛を」を書き続けた迷える少年、というタイトルだ。藤田さんの代表作『愛さずにはいられない』は、自伝的な作品である。小説の原点は「母親との確執」なのだという。

「僕」(主人公)は気がついている。女に惹かれるのと同時に、女を烈しく憎んでいる自分に。「僕」は、それが母親への憎しみに起因していることを知っているのだ。

 「母親と娘の確執」のことはよく聞く。実際、母と娘の関係ほど難しいものはないようだ。多くの女性作家の作品がある。しかし、ツルゲーネフの「父と子」にみるように、「父親と息子の確執」は多いが、「母親と息子の確執」は殆どないのではないかと思っていたので愕いた。『愛さずにはいられない』をこんど読んでみたい。