TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「法然の笑いと信仰」(阪東良三著)を読む

 「家にいてください―HOME STAY!」
 新型コロナウイルス感染拡大防止のために4月7日に「緊急事態宣言」が発令されてから上記の標語が叫ばれている。今では「毎日が日曜日」の境遇の私は緊急事態宣言がなくても毎日家にいる。家にいると本が読める。というわけで、昨日読んだ上記の本のについて記憶と記録の意味で紹介したい。

 阪東良三さんの法然の笑いと信仰」は、3年くらい前に郵送で恵贈いただき以前も一度読んだ。先日、上田秋成の「雨月物語」を読んだ。時代背景が平安時代末期から室町、鎌倉時代である。その関連で、阪東さんの原稿のことを想いだして、今回2度目の拝読をした。この作品(評論だろうか、「法然研究」とでもいうのだろうか)は、原稿用紙(400文字)120枚のかなりの大作である。目次建ては以下のようだ。
 (1)なぜ笑いか、(2)第一の笑いの年代、(3)伝記作者の作為、(4)第一の笑いの問題点、(5)専修念仏と現生祈祷、(6)法然明恵、(7)五色の糸、(8)藤原隆信、(9)第一の笑いの由来―「愚痴にかへりて」、(10)第二の笑いの年代、(11)第二の笑いの意味、(12)第三の笑い。(13)結び。

 法然は浄土宗の宗祖である。若い日には比叡山天台宗)で修業して後に浄土宗の宗祖となった。つい最近、「浄土宗のお教え―歴史・思想・課題―(法然上人浄土開宗八百年記念出版)」という本を書棚で見つけて読み始めている。まだ読み終えていないので私の知識は乏しい。親鸞比叡山で修業したひとりで、法然に遅れて浄土真宗を改宗したくらいの知識しかない。これほど無知の私が読んだところでは、阪東さんの本は、「いかにして法然天台宗から離れて浄土宗を開いたかということを、「法然の笑い」という切り口で迫っているものとして読んだ。
 「(2)第一の笑いの年代」を読んでみた。これは、法然九条兼実の邸宅で天台宗の僧と会ったときのエピソードある。天台宗の僧侶が、「浄土宗を立て給うなるは、いづれの文によりて立て給うぞとや」とたずぬるとき、・・・・「宗義をたつる程のことに、なんぞただ一文によるべきや」と。上人微笑して物もの給わざりけり。」天台宗の僧の質問に、法然は静かに笑って応えなかったいうことだ。

 法然天台宗の僧と会った場所を提供した、貴族(公務員)の九条兼実法然の元で出家した。藤原隆信法然の元で出家した。藤原隆信の母親は後に藤原俊成と再婚した。そこで末弟として生まれたのが後の藤原定家である。新古今集の撰者として著名な藤原定家は隆信の20歳も年下の異父弟であるということだ。実に興味深い。
 法然の笑いと信仰」について上手く紹介できない。阪東さんは今から30年も前にこれを書かれたらしい。ただ本の形で出版はされていないらしい。