TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

山折哲雄さん(宗教学者)の「夢にふるさと 豊かな気持ちに」を読んで思うこと

 朝日新聞の毎週土曜日「Be欄」に掲載されている「Reライフ」という、山折哲雄さんのコラム記事が今日(2020年5月2日)が最終回という。終了の理由は山折さんの健康不調だ。山折さんの書くものはいつも心に響く。意識して読んできた。本も幾つか買って書棚にあり、時折読んでいる。
 山折さんは、この4月に入って37度5分の熱が続き呼吸困難や咳もあるので新型コロナウイルス感染を疑った。入院してPCR検査を受けたところ陰性だった。しかし、重症の肺炎がみつかった。

 「何度も書いているが、千年ほど前、比叡山の僧徒のあいだでは浄土往生を望む同志にみとめられながらの「臨終の行儀」があった。今、最後は食事を断ち、水を断ち逝くことを願っていた私が、そのような自然死と緩和医療との協調のもとで逝くのなら、それは現代の「臨終の行儀」となるのではないか。そんなことを考えるようになり、夢にふるさとの風景や川の流れが浮かぶようになった。するといつの間にか、俳句をつくっていた。
 いくたびもいのち削りき春の森
 この道を行きつ戻りつ白い道
 童子連れ米寿を過ぎて長い旅 」

 山折さんの理想とする死に方は、私も最高の死に方であると思う。仏教の高僧たちが、食を断ち、水を断ちをすると、死に臨んで身体が悪臭を発することもなく、まるで萎んでいくように死に至るという。先日読んだ「浄土宗の教え」における法然の死に際も、上に紹介した「臨終の行儀」の作法に近いものだった。そんなことが凡人の私たちにもできるのなら最高である。今回のコラム欄終了で、山折さんは心おきなく死を迎える準備をしているのだと知った。願わくはもう一度快復して先達のこころいきを書いて欲しい。