TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「黙移」(相馬愛蔵・黒光著者集3」を読む

 新宿中村屋相馬黒光さんがロシア語を話す人であったので、その関係で盲目のロシアの詩人エロシェンコの世話をしたのだということを先日知った。いまから30数年前にエロシェンコに興味を抱いて幾つかの本を買い求めたことがあった。「相馬愛蔵・黒光著者集(5巻本)」を買った覚えがあった。早速、階下の書棚から探してきて読んでみた。今回は、黒光さんの著作である「黙移」(第3巻)を少し読んだ。これが実に面白い。黒光さん(本名は良さん)は、宮城県生まれで、長野県の安曇野相馬愛蔵と結婚して長野県に移る。大幅に端折ると相馬愛蔵・黒光の夫妻が、東京にでて、東京・文京区本郷の東京大学前にあったパン屋を買い取って始めた小さなパン屋さんが新宿中村屋の前進である。私も東京にきてから(1971年~)何回となく中村屋のカレーを食した。この中村屋を舞台として、画家の中村つね(後で変換予定)や鶴田五郎、インドからの亡命者のボース、盲目のロシア詩人のエロシェンコらを保護して、一時期、彼らは黒光さん夫妻の庇護のもとにあった。「黙移」は最初は、自由学園で著名な羽仁もと子さんが創刊した「婦人の友」に書いたものとのことだ。明治から大正そして昭和へと続く日本で、このような類まれな人がおられたことに驚嘆する。本日は「相馬愛蔵・黒光著者集」を紹介した。全巻の目次は以下のようだ。

  第1巻 穂高高原(黒光著)
  第2巻 一商人として 夫婦教育 ((愛蔵・黒光著)
  第巻 黙移(黒光著)
  第4巻 私の商売道(愛蔵著)
  第5巻 広瀬川の畔(黒光著)