TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

神経解剖学者サンティアゴ・ラモン・イ・カハールのこと

 先日(6月7日)に、スペインの哲学者オルテガの名著「大衆の反逆」を佐々木孝さんが新訳本を出したことに触れた。スペインといえばかつての先進国も今ではヨーロッパの後進国となっているらしい。スペインに行ったことがない。何時か行きたいと思うが、新型コロナウイルスが終息しないとスペインは愚か海外には行けそうもない。スペインと言えば私の乏しい知識の中で、神経解剖学者のカハ―ㇽを思い出す。カハ―ㇽについては一度調べたいと思っていたので、ここで記憶と記録のために記載したい。
 神経解剖学者の萬年 甫さんの書いた『脳の探求者ラモニ・イ・カハ―ㇽ スペインの輝ける星』(中公新書)が1991年に出ている。読んだことがあるような気がする。詳細は忘れたので今回、インターネットで調べた。以下はウキペディアの記載より纏める。
 カハ―ㇽは、1852年5月1日~1934年10月17日まで生きた。スペイン人の名前は、名前の後ろに父方と母方の姓を両方付けるのだという。カハ―ㇽというのは母方の姓である。面白いことに、哲学者のオルテガは、ホセ・オルテガ・イ・ガセットがフルネームなので、オルテガは父方のの姓である。イは、英語のandである。一方は、母方の姓で、もう一方は父方の姓で呼ばれるのはどうしてだろうか? 私はスペイン語もスペインの習慣も知らないが興味ある。


 ■1906年ノーベル生理学・医学賞を受賞■
 カハ―ㇽは、今日の神経科学の基礎を築きあげた巨人として位置つけられている。中枢神経系の構造に関してカハ―ㇽは、ゴルジ染色法の開発者ゴルジらによる網状説に対して、ニューロン説を提唱して論争を引き起こしていた。ニューロン説は、神経系はニューロンという非連続の単位から構成され、個々のニューロンは細胞体、樹状突起、軸索という極性のある構造を有し、シナプシスと呼ばれる接合部によって互いに連絡すると考える。1906年ノーベル生理学・医学賞は、網状説のゴルジとニューロン説のカハ―ㇽの二人が受賞した。この折のノーベル賞はどうした判断だったのだろうか? その折の、ノーベル賞受賞講演は、まったく正反対の立場から受賞記念講演を行っているとのだという。授賞理由の文章を見つけて読んでみたいものだ。時代が下って、電子顕微鏡を用いた実験研究によって、個々のニューロンの細胞膜は互いに独立していることが確かめられ、ニューロン説が実証されるに至り、神経科学における基本的概念となった。
 ノーベル賞を受賞した1906年は、カハールの54歳のときであった。1917年に、『我が生涯の想い出』という自叙伝を刊行している。2009年に里文出版から、『脳科学者ラモン・イ・カハル自伝―悪童から探求者へ』という翻訳本がでているらしい。これが、カハ―ㇽの自伝の日本語訳であろうか? カハ―ㇽについては、日本の神経科学者の多くが関心を持っており、いろいろの方がカハ―ㇽに言及している。まずは、萬年 甫さんの中公新書を再読してみたい。