TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

速水融著『日本を襲ったスペイン・インフルエンザー人類とウイルスの第一次世界戦争』のこと

 新型コロナウイルスの感染拡大が話題になったときに、速水 融著『日本を襲ったスペイン・インフルエンザー人類とウイルスの第一次世界戦争』の存在を知った。藤原書店が出している。定価は4200円である。高価な本である。多分、藤原さんは赤字覚悟でこの本を出版したに違いない。出版は志の業(わざ)である証左であろう。藤原書店は、石牟礼道子さんの『苦海浄土』ほかを出している。これもそんなに売れる本ではない。藤原さんは売れそうな本ではなく、作りたい本を出しているのだと思う。そこへ来て、今回の新型コロナウイルスの件で、上記の速水さんの本が注目されている。

 件の本を読みたいとおもっていたが、高価なのと図書館が休館なので忘れかけていた。そのおり、「文藝春秋」7月号の文春ブッククラブで池上彰さんが、「過去の歴史を発掘することが予言となった書」という書評で、概要を紹介していたのを読んだ。

 当時の日本の人口は5600万人だが45万人が亡くなった。当時は第一次世界大戦中だった。第一次世界大戦で亡くなった方が兵士と民間人を併せて約1000万人。それに対して、このインフルエンザの死者は4000万人といわれる。何故、その折のインフルエンザをスペイン風邪をいうのかというとこうだ。第一次世界大戦のさ中なので、米英仏軍も、独軍も自衛の兵士がバタバタ死んでも軍事機密で内証にしていた。ところが、スペインは中立国だったので報道管制がなくて、「スペインで風邪が流行っている」と報道されたので、「スペイン風邪」ということになったのだという。
 著者の速水さんは、「日本はスペイン・インフルエンザの災禍からほとんど何も学ばず、あたら45万人の生命を無駄にした」というメッセ―ジを残しているという。

 読まないで、池上さんの書評ですませてしまった。4200円は年金くらしの爺にはチョット手が届かないので、図書館でリクエストして読んでみるつもりだ。池上さん、良い本の紹介に感謝します。