TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「膵がんのリスク遺伝子変異を発見」の記事を読んで思うこと

 膵がんは予後の悪い癌の代表格である。発見されたときには既にステージが進んでいるケースがほとんどである。いまもその状況はあまり変わってないのではないだろうか?

 ■石原慎太郎さんとすい癌の重粒子線治療
 文藝春秋誌の7月号(2020年)に、作家で元東京都知事石原慎太郎さんが「予期せぬ出来事―私の闘病記」という一文を寄稿していた。「すい臓がんから奇跡の生還―これは地獄の底から予期せず這い上がった男の国への最後の建言である」との宣伝文が見出しに記述されていた。早速に読んでみた。石原さんは、夜間の頻尿に悩んで、長年前立腺の検査を東海大学の松下医師にみてもらっていた。今年の1月に、念のために腎臓との関わりを調べるためにエコーを撮ったのだという。出来上がった映像をみた松下医師が、「膵臓の辺りに妙な影があるけれど気になりますなあ、この月末に本院から膵臓の専門家が来るので一度よく調べたら」との助言を受けた。このような経緯から、直径2センチほどの膵癌は発見された。こうして、石原さんは、放射線医学総合研究所で、すい臓がんに対しての重粒子線治療を受けて無事生還したとのことだ。この記事は、石原さんが書きあげて文藝春秋に持ち込んで、掲載されたようだ。

 ■愛知県がんセンター―膵臓がん関連遺伝子変異を発見■
 膵臓がんのなりやすさに関連する遺伝子変異を見つけたと、愛知県がんセンターが発表した。愛知県がんセンターは、かつて長与健夫さん(長与専斎の孫)が研究所長をしていた。癌研究については名古屋地区の拠点の一つである。愛知県がんセンターや愛知医科大学名古屋大学などの研究」チームは、膵臓がんの患者約4千人と、がんではない約4万1500人を対象に、全ゲノムを網羅的に解析した。16番染色体にある「GP2」と呼ばれる遺伝子の変異が、膵臓がんのリスクを上昇させていることを突き止めた。GP2は、主に膵臓に存在するたんぱく質だ。変異によってアミノ酸配列に違いができ、たんぱく質の働きが変化してリスクが上がった可能性があるという。この遺伝子変異は、西洋人では殆ど変異がないが東アジア人にはあり、日本人では約1割で変異していると推定されるという。
 興味深い記事なので、ここに概要を紹介した。この記事は朝日新聞夕刊(7月3日)に掲載された木村俊介さんの署名記事だ。この変異する遺伝子は、日本人で1割存在するだけの稀な変異であり、かつ「16番染色体にある「GP2]と呼ばれる変異を、どのようにして発見するのだろうか?興味深い記事ではあるが、健康診断などで事前に検査することが可能なのだろうか?いずれにせよ研究のさらなる進展に期待したい。