TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「人は素朴に生きている、あるいは素朴に生きなければならない」―二つの新聞記事に触発されて書く

 「田舎者で気が利かない、スマートさがない、歩き方もドタドタしている」
 これが長年恐らく43年くらい連れ添った夫たる私73歳への糟糠の妻72歳の言い分である。この言い分は殆どあたっているので私は甘受することにしている。今までも、これからも素朴に生きてゆくしかない・・・。

 さて、昨日(2020年7月16日)の新聞を読んで、本日は標題のタイトルで思うことを述べることにした。触発された記事は<「やまゆり園」事件4年―投げかけたものは-」という、社会学者の最首 悟さん(83歳)の記事だ。もう一つは、<「夫の自死 真相を知りたい」森友改ざん 法廷で職員の妻>という記事である。二つとも「人の生死に関する記事」であり、私たちはこんなにも不気味な社会に生きているのだと、新型コロナウイルス感染防止に関する、少し前とすっかり変わった対応「GOTOトラベル」運動の中で考える。

 相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で利用者ら45人が殺傷された事件から、7月26日で、もう4年が経つのだという。今年の1~3月に事件の犯人植松聖死刑囚(30歳)に対する裁判員裁判横浜地裁で開かれ、死刑判決が確定した。たしか、植松被告が控訴をしなかったので、早期に死刑が確定したと思う。それにしても、「こんな重い裁判を(普通のひとから選ばれた)裁判員に裁判させるのだろうか?」といつも思う。あるいは、「重い裁判だからこそ、裁判員裁判で行う」のかもしれない。裁判員裁判制度の発端も導入の意義と目的も私は無知でしらない。この事件が起きた直後から、最首悟るさんが積極的にかかわってきたことを新聞で知って記事を読んできた。

 最首さんは次のように言う。<私は事件当初から、彼のことを「正気だった」と考えていました。狂気ではない。事件につながる考えは、一人きりの特異なものではないということです。植松死刑囚は、「社会の役に立ちたかった」と繰り返しました。正気な青年が世を憂え、行きついた先が「意思疎通のとれない障害者はいらない」だったのでしょうか。・・・・私たちの心には、いろんな不安や問い、欲望が渦巻き、差別というとげが抜きがたく存在している。新型コロナウイルス感染拡大を受けて、「いのちの選別」の不安を訴える障害者もいます。>
 最首さんは、元々は東京大学の研究者だった。たしか、複数人授かった最後のこどもが障害者だった。<自宅で共に暮らす三女の星子(43歳)は盲目で、重い知的障害があります。星子が音楽を聴いて、10日に排泄(はいせつ)する。家中が臭いなかで、家族みんながうきうきして、星子はそのまま寝る。そこに居るだけで、ほっとする。平穏に悠然として生きている姿を想像して欲しいです。>
 最首さんは、2018年7月から、植松死刑囚に手紙を書き続けている、のだという。「判定が確定してから返事はなく、読んでいるかはわかりません。」とあるので、初期のころは手紙のやりとりがあったのだろう。もしかしたら、最首さんとの手紙の応答が、植松被告の「控訴は意味がない」の発言に繋がったのかもしれない。植松被告のこころの闇ははかりしれなく今もわからない。最首さんの記事はこう結ばれる。<SNSなどで、今なお「植松被告はよくやった」と反応する人たち、後継者に向けての便りでもあります。>

 学校法人森友学園大阪市)をめぐる財務省の公文書改ざん問題は、つい最近のことと言っても2016年のことだ。学校法人森友学園財務省近畿財務局が払い下げた国有地をめぐる汚職になるような話だ。森友学園の理事長籠池泰典氏は日本会議大阪の役員で、安倍首相の夫人の安倍昭恵さんが同校の名誉校長となっていると報じられていた。この問題をめぐって、2017年衆議院予算員会で、安倍首相は私学設置や国有地払い下げに「私や妻が関係していたとことになれば、首相も国会議員も止める」と述べている。公文書改ざんは、佐川宣寿・元同省理財局長の文書改ざん(指示)が指摘されあ。その経緯の中で、同省近畿財務局(金財)職員・赤城俊夫さん(当時54歳)が改ざんを強制された後、公文書改ざん問題が報道された5日後の2018年3月に自死した。上に引いた記事は、赤城さんの妻俊子さん(49歳)が、「夫が自死したのは改ざんを強制されたからだ」と、国と佐川宣寿氏に、約1億1200万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が7月15日に、大阪地裁であった。

 <訴状によると、雅子さんは、改ざんを俊夫さんに指示したなどとして国に約1億7000万円、佐川氏には職権乱用にあたり公務員としてではなく個人の不法行為だとして550万円を、それぞれ求めている。>
 <「責任を取ります」とする俊夫さんの遺書について、雅子さんは陳述で「夫は死んでお詫びしたんだと思います。」と胸中を語っている。>

 上記は、凄い事件であり、赤城さんの妻雅子さんの勇に拍手して敬意を表したい。雅子さんは、第三者委員会による再調査に、安倍首相や麻生太郎大臣が否定的な姿勢を示すことに対して、「私は真実が知りたいです」と雅子さんは要望している。
 (上の文書は、2020年7月16日 朝日新聞の遠藤隆史、米田優秀人の署名記事から、記憶と記録のために纏めた。)