TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

『酒飲みに与うる書』(キノブックス)という本を読んでいる

 『酒飲みに与うる書』という本を偶然に稲城図書館で見つけて読んでいる。発行元は、「株式会社キノブックス(木下グループ)」となっていて、2018年にできた新しい出版社だ。会長は木下直哉という方で、建築会社の木下工務店の社長らしい。社長は古川絵里子という方である。「豊かな生活と文化の調和」を社是とする木下グループの出版社とインターネットの紹介にあった。やはり、あの建売住宅も手掛けている木下工務店である。今から40年くらい前に、東京都清瀬市に棲んでいた頃、当時の保谷市(今の西東京市)に木下工務店の作っている建売住宅を見学に行ったが、高価で手が届かなった思い出がある。木下工務店は大きく発展して、出版も手掛けたようなのだ。もしかしたら、2代目社長が「文化の調和」を目指しているのかもしれない。

 閑話休題。ここで取り上げる『酒飲みに与うる書』の作り方はチョット面白い。こういう書籍の作り方があるのっだ。酒あるい飲酒に関するエッセイ、誌、俳句、等々に関して42人の人の文章を集めたアンソロジーである。トップのマラルメ「祝杯」(渡邊守章訳)から、最後のヴァレリー中井久夫訳)「失われた酒」までが並べられている。この二人の外国人の作家(詩人)の間に、村上春樹「おいしいカクテルの作り方」、田村隆一冬物語」、吉井勇「酒ほがひ」、吉田健一「酒の味その他」、等々が連ねている。昔の大御所ばかりかと思うと、角田光代「酔っ払い電車」、内田樹「個食の幸せ」等々の現代の書き手の名前も見られる。多くは、新たな書下ろし原稿ではなくて既にどこかで書いていたもののアンソロジー(寄せ集め)のようである。表紙のイラストに、「よく呑んで、よく歌って、面白くあること。」「おや、昼酒ですか、結構ですな。」等の文章が背景に描かれている。タイトルの『酒飲みに与うる書』からすると、酒を愛し寿ぐ書物なのであろう。しかし、中島らも「飲酒自殺の手引き1」や、伊集院静「大人はなぜ酒を飲むのか」、島田雅彦「アルコール依存」等を読むと、酒を飲むのではなくて「酒に飲まれる」怖さにも触れている。俳人森澄雄さんの以下の句が心に残った。

 「昼酒の鬼の踊りし曼殊沙華」

 

 <付記> もと出版社の社員として、こういう書籍の作り方に驚いた。著作権はどうしているのだろう。執筆者に故人おられるから、著作権の継承者に許諾を取って掲載しているのだろう。岡田育「昼下がりの鮨屋で、突然に」は、とても軽妙で面白いエッセイとして読んだ。根津の「寿司かじわら」というお店での昼酒のエピソードを書いている。とてもユニークな書きっぷりだ。後ろの著者紹介でみたら、1980年生まれの若い方のようだ。『嫁に行くつもりじゃなかった』『オトコのカラダはキモチいい」等の本を書いている。私の娘と同じくらいの年代の方だ。この方の文章は書下ろしのようにも思えた。岡田さんの本を捜して読んでみたい。