TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

安倍首相 辞意を表明

 予測されたことだが、今日は安倍首相の辞意表明のニュースが駆け巡った。兼ねてからというより、ここ2週間くらいは安倍首相の体調不良の様子はテレビ画面でも明らかであった。遂に来たという言うしか言葉がない。ただ、その貢献への評価はともかく、この間の身体的精神的な圧力は如何ばかりかと思う。「お疲れさんでした」という言葉はこのような時に使うのだろう。平成時代の平成12年(2000年)の小渕恵三首相の現職での逝去のことを思い起こすと、安倍さんの今回の決断は必須であったのだろう。この件は新聞やテレビで詳細が報道されているが、記憶と記録のためにここで纏めて起きたい。主なニュースソースは朝日新聞朝刊(2020年8月29日)である。

 安倍晋三首相(65歳)は、8月28日夕方17時頃から、首相官邸で記者会見を開き、持病の潰瘍性大腸炎が再発したころを理由に辞意の意向を表明した。潰瘍性大腸炎は今のところは不治の病である。クローン病と共に原因不明の大腸の慢性疾患である。私がI書院に在職中に関係した消化管の専門雑誌『胃と腸』でも特集テーマに取り上げられている。患者は年齢性別を問わず発症する。1997年に入社したばかりのH君が、実は潰瘍性大腸炎をもっており入退院を繰り返していたのを思い起こす。安倍さんは次のように述べた。

「国民の負託に自信をもって応えられる状態ではなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきではない」。」

 安倍さんは、今月上旬に再発が確認され、新しい薬の投与を始めた。この薬の効き目も出てきたが、「投薬はある程度、継続的な処方が必要であり。予断を許さない」ことから、二度目に慶応大学病院を受診した8月24日に、一人で辞任を決断したとのことだ。
 安倍首相は辞意表明のタイミングとして、政府が新型コロナウイルス感染症の新たな対策を決めたことを上げ、「新体制に移行するのであれば、このタイミングしかないと判断した」と述べている。一方、「コロナ禍のなか職を辞することについて、国民に心よりお詫びを申し上げる」と陳謝した。

 安倍晋三さんは、岸信介さんの娘のこどもであるのでお孫さんだ。父親は安倍晋太郎で毎日新新聞の政治記者から岸信介さんの女婿となり政治家になった方だった。安倍晋太郎さんも首相を目指したが、志半ばにして病に倒れたと記憶している。その親の安倍寛さん(つまり、安倍晋三さんの父方の祖父)も政治家だった。安倍さんは、つい最近、歴代最長の首相在任記録を更新したばりである。この間、首相自身や妻の昭恵氏の関与が追及された森友・家計学園問題など釈然としない事件が残された。「権力を私物化したことはない。国家国民のために全力をつくしてきたつもりだ」と、安倍さんは反論している。当然そう言うだろう。安倍さんの評価は歴史がこれから判断を下すのであろう。

 

 潰瘍性大腸炎とは■
 潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらん性の潰瘍ができる大腸の炎症性疾患である。特徴的な症状としては、下血を伴ったりまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛である。病変は直腸から連続的に、上行性(口側)にひろがある性質があり、最大では直腸から結腸全体に広がる。
 日本における潰瘍性大腸炎の患者数は、16万~17万人、人口10万人あたり100人程度である。発症年齢のピークは男性で20~24歳、女性では25~29歳で、若年者から高齢者まで発症する。男女比は1対1で性差別はない。
 潰瘍性大腸炎の原因はわかっていない。指定難病(97)に指定されている。これまでに、腸内細菌の関与や本来なら外敵から身を守る免疫機構が正常に機能しない自己免疫反応の異常、あるいは食生活の変化の関与などが考えられるが、確たる原因は不明のまままである。
 治療法には内科的なものから外科的なものまである。内科的治療の薬物慮法については日進月歩であるようだ。外科的に大腸を全摘術の際には、小腸で人工肛門を作る場合もあるが、近年では、小腸で便をためる袋(回腸嚢)を作成して肛門につなぐ手術が主流になっている。この場合には、術後に普通の人とほぼ同様の生活をおくることができる。

 ここで、ちなみに私がかつて発行に関与した、医学書院発行の専門誌『胃と腸』を検索してみた。第55巻2号(2020年2月)で、「潰瘍性大腸炎関連腫瘍―診断・治療の現状と課題」を主題にとりあげていた。このテーマが成立sることは、潰瘍性大腸炎から腫瘍ができる症例が少なくないのだろうか。医学図書館で見てみたい。この号の主題関連研究で、「潰瘍性大腸炎に対するサーベイランス―SCENIC international  consensus statement 概要と問題点』という論文を、松本主之さん(九州大がく)が書いていた。これをよめば、潰瘍性大腸炎に関する世界の動向がわかあるのだろう。