TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「ノーベル賞と日中の科学力」を読んで思うこと

 「ノーベル賞と日中の科学力」という村山知博さんが、2020年10月25日の朝日新聞朝刊の「余滴」で標題の社説を書いていたのを興味深く読んだのを纏めておく。

 ノーベル賞を受賞した本庶 佑さんや大隅良典さんが挙って、このままでは日本の科学は先細りになるとの警鐘を鳴らしている。世界の著名な雑誌の日本人の論文採用が減っているらしい。

 <文部科学省の科学技術・学術政策研究所が8月に出した報告書「科学技術指標2020」のデータが目をひく。2016年~2018年の論文(年平均で154万本)が、どこの国の研究者によって書かれたものかを分析したという。その結果、中国が全体の19.9%、米国の18.3%を抜いて初めて1位になった。注目度の高い論文の数でも2位で、1位の米国に肉薄している。なぜこれほど躍進しているのか。・・・・・中国では大学や企業などの研究開発が2000年~2018年で5~15倍に急増している。日米欧が2倍に満たないのに比べ突出している。また、中国はもっとも多くの留学生を国外に送り出しており、世界全体の5分の一を占める。特に米国への留学が多く、最先端の研究現場で優秀な人材を調べる戦略が透けて見える。翻って日本は、企業の研究開発こそやや増えているが、大学や公的機関は横ばいだ。留学生の送り出し主要国で最も少ない。研究発表も右肩下りで、全論文のシェアは4位(4.2%)、注目論文でも9位(2.5%)と中国に水をあけられている。>

 上のような記述を読むと、「やばい」という気がする。かつては、利根川さんも初めスイスのバーゼル免疫研究所に、次いでアメリカのMITで研究を進めてノーベル賞に輝いた。やはり、経済力が研究力を支えるのだろうか。