新型コロナウイルスのワクチン接種が、12月8日に、英国で始まった。米国の製薬会社ファイザーがベルギーで作った。接種対象となったのは、感染すると重症化のリスクが高い80歳以上の高齢者や介護施設の職員。英国は当面は80万回分を確保し、各地の拠点病院で接種を始める方針だ。このファイザーワクチンは、日本への供給が予定されているものと同じだ。これは、RNAワクチンという新しいタイプのワクチンだ。別のワクチンは、ロシアや中国でも国内で一部始まっているとのことだ。
米国では、12月10日に、FDA(米食品医薬品局)の諮問委員会が承認を審査する。米政府高官は、承認されれば24時間以内に接種開始を目指すとしている。米国の会社のワクチンなのに、国内よりも英国で接種が先んじたというのも興味深いことだ。
(上述の概要は、ロンドン=下司佳代子さんの記事からまとめた。)
ファイザーのワクチンについて、12月9日に、カナダ保健省が緊急承認したとのことだ。英国、バーレーンに次いで3か国目となる。年内に24万9千回分を受け取り、医療従事者から接種を葉じゃ惟めるとのことだ。(12月10日、追加)
■主な新型コロナウイルスワクチンの種類■
(1)ファイザーやビオンテックなど:
RNAワクチンで、超低温(マイナス70度Cで保存)、日本にも6000万人分提供、治験では95%の有効性が確認。
(2)モデルナなど:
新型コロナの遺伝物質を合成、人工の膜で包む、マイナス20度Cで保存。来年上半期に計5千万回分を供給。94.1%の有効性。
(3)アストラゼネカ、オックスフォード大:
増えないようにした別のウイルスに新型コロナの遺伝子を組み込む。2~8度Cで保存。平均70%の有効性。来年度から1億2千万回分の供給で基本合意。
上掲のRNAワクチンの実用化は初めてで、トーマス・フリーデン元米疾病対策センター(CDC)所長は、「何百万もの人が接種を受ける中で、非常にまれな副反応が明らかになるかもしれない」と指摘した。・・・また、海外の治験で一定の効果や安全性が確認されたからといって、日本人でも同じとは限らない。・・・前例のないスピードで開発にこぎつけただけに、評価には慎重さも必要となる。
(上記は、野口憲太、ワシントン=香取啓介さんお署名記事からまとめた)
■日本「年度内にも」準備急ぐ■
「人本ではいつ、接種できるようになるのか。」気になるところである。一方、大阪大学など、日本の国内でもワクチン開発は行っているはずだ。日本発のワクチンはできるのだろうか?
ファイザーは160人、アストラゼネカは250人の日本人を対象とした治験をしているとのことだ。モデルナも今後、日本人の治験の実施を予定している。各社は沿いの結果と海外での治験結果をあわせて承認を申請する。医薬品の審査を担う医薬品医療機器総合機構(PMDA)と厚生労働省の部会で有効性と安全性が認められれば承認される。
(上記は、富田こう平、土肥修一さんお署名記事からまとめた)
<コメント>上記は、「時々刻々ーワクチン背負う期待」という、朝日新聞朝刊(2020年12月9日)から概要をまとめた。海外を含め、多くの記者たちが最新のニュースを懸命に書いているのがよくわかる。元医学関係の記者であった私には彼らの奮闘ぶりが頼もしく思える。続報に期待したい。