『短歌指導』(佐藤佐太郎著)を先日来読み継いでいる。この本の「小序」に、脱稿時期が昭和38年秋分の日、と書いていある。随分、古い本なのだ。佐藤佐太郎さんは有名な歌人で斉藤茂吉のお弟子さんだ。この本は、「短歌入門ノオト」「短歌の話」「純粋短歌入門」といった旧著を集めて再構成したようだ。本日は、「短歌の意義」「短歌の内容」「短歌の声調」「感情の表現」「写生について」まで読み進めてきた。読んでみると、短歌を作ることがかなり難しいハードな作業であることが分かってきた。記憶と記録のために少し引用しながら概要をかいておきたい。
■作歌の意義■
「文学、詩というもは精神生活を高め、強くするものでなければなりません。」
佐太郎さんは、短歌に対して厳しい態度で接している。だからといえ、短歌は一部の選ばれた人の手技ではないともいっている。とはいうものの、「芸術の民衆化は、従来よりも低級な作品を民衆に贈るということではあってはならない」と書いている。
「短歌に自分の生命を傾注することのできる人が専門家というものである、まだこの覚悟が徹底しきれていない人を素人といってよいのだろうと私は思うのであります。」
もちろん、私は歌のプロ(達人)になろうともなれるとも思ってもいないのだが、この年(73歳)になって、「歌はじめ」をしようとしているのは最後まで「精神生活を高め、強くして生きたい」と思うからである。
■短歌の内容■
(更新予定)