TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「新型コロナウイルスワクチンは全能ではない―ワクチン開発と接種の状況概観

  楽天ブックスから届いた『新型コロナ7つの謎』(宮坂昌之著)を読み進めている。プロローグから第1章、第2章まで読んだ。第1章はインフルエンザウイルス、SARS,MERSの違い、エピデミック、パンデミックの中身の再確認ができた。第2章では、新型コロナウイルス感染・増殖のやり方が詳しく解説されていた。
 さて、日本でも新型コロナウイルスの接種が、来年(2021年)2月頃から、医療従事者、高齢者を優先に始まりそうである。これに備え神奈川県大和市ではワクチン接種を担当する部署の開設準備をしているとのことが新聞報道されていた。
 日本で使われるのは、ファイザーが開発したRNAワクチンである。そこで、宮坂さんの本「7章:有効なワクチンを短期間で開発できるのか」を先に通読した。この章では、一般的にワクチン開発には費用と期間がかかることが詳細に解説されている。特に第三相の臨床試験(治験)まできちんと行うとすれば、数年の期間を要する。ところが、今回、実現したワクチンはほぼ1年という短期間で製造を成し遂げた。ワクチンには必然的に副作用(副反応)が生じるケースが起こる。実際、既に英国、米国ほかで投与されたファイザーワクチンでは数例の副反応(アレルギー症状)起こったことが報じられている。
 <新型コロナウイルスに対するワクチンは、現在、世界で300近い数の会社が開発に参画していて、早いものは既に第三相臨床試験に入っています。しかし、安全で予防効果の高いワクチンが出てくるまでには、かなりの時間がかかるのではないかと、私は考えています。その一番の理由は、コロナウイルスがわれわれのからだに抗体を作らせるときに、必ずしも善玉抗体である中和抗体だけでなく、悪玉抗体や役なし抗体を作らせることがあるからです。つまり、ワクチンを接種したから必ずしもウイルスをやっつけてくれる良い抗体だけができるとは限らないからです。>
 このように宮坂さんは書いている。このことを記憶にととどめておきたい。そのうえで、新型コロナウイルスワクチンの現況を以下にまとめておきたい。

 ■米バイオ製薬モデルナワクチンを承認■

   米政府は、12月18日、米バイオ製薬モデルナが開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認した。モデルナのワクチンは、米製薬王手ファイザーと独ビオンテックのワクチンに続いて米国で2例目である。モデルナのワクチンは承認から24時間以内に出荷され、週明け以降に医療機関に到着後、医療従事者や介護施設の居住者に優先的に接種される。モデルナ製のワクチンはマイナス20度cでの保管が可能である。
 韓国政府が、12月31日、モデルナと新型コロナウイルスワクチン2000万人分の購入契約を締結したと報道された。

 EU各国でファイザーワクチンを接種開始■

 12月28日付けの朝日新聞に、上記のタイトルの記事が出ていた。興味深いので記憶と記録のために概要をまとめる。
 <コロナ禍が収まらない欧州連合EU)各国で,12月27日、ワクチン接種が一斉に始まった。英国で確認された「変異種」にも有効だとされる。>
 <独バイオ企業ビオンテックと米製薬王手ファイザーが共同で開発したワクチンを用いる。(これはRNAワクチンだ。)欧州委員会が加盟国を代表する形で最大3億回分購入できる契約を結んでおり、ベルギーにあるファイザーの工場から、人口比に応じて順次各国に届く。EUの人口4億5千万人に対して、開発中も含めて約20億回分を確保ずみで、27~29日ワクチン投与を始める「接種デー」と位置付けている。>

 ■英国アストラゼネカのワクチンを承認―12月30日■

 英国政府は、12月30日、英国製薬王手アストラゼネカとオックスフォード大学が開発した新型コロナウイルスワクチンを承認した。来月1日4日から接種が始まるとのことである。
 この種類のワクチンの承認は世界で初めてである。このワクチンは、遺伝子組み換え技術を使って作っている。弱毒化したチンパンジーの風邪のウイルスに、新型コロナウイルスの遺伝情報を組み込んで作る。2回接種で、大規模な臨床試験(治験)では、発症を防ぐ効果は平均70%と報告されている。ファイザーやモデルナのワクチンは零下20~70度での保存が必要とされる。一方、アストラゼネカのワクチンは零下2~8度、つまり普通の冷蔵庫で保存できるので、接種を大規模には広め易いようっだ。このワクチンは、日本政府が1億2千万回分(6千万人分)の供給を受ける契約を結んでいる。
 これで、ファイザー、モデルナに続き、三つのワクチンが何れも海外で使用が認められたことになる。

 以上のように、三つの新型コロナウイルスワクチンが海外で承認された。明年2月にも、ファイザー製薬のワクチンが日本でも接種が可能になると報道されている。モデルナ、アストラゼネカのワクチンは何時から日本で使用が可能になるのだろうか。
 一方、新型コロナウイルスワクチンに関しては、ロシア、中国では既に独自に開発されたワクチンが承認され、接種が開始されていると報道されている。これらは、ファイザーのワクチンと同じく、RNAワクチンだろうか?興味がある。
 日本でも、大阪大学を始めワクチン開発が進められているはずだ。これらはどうなっているのだろうか?今回、宮坂さんの本で、ワクチン作成方法に異なった方法があることを知った。今後の情報に注目していきたい。

 昨年、2020年1月から、青天の霹靂のように新型コロナウイル感染が日本でも始まった。本日12月31日、東京都では1300名を超える最大の数の感染者が確認された。私の住む神奈川県も同様に500名を超える感染者がでた。願わくば明年の早期にCOVID-19 が終息すること祈っている。