TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

令和正月の 「朝日歌壇」から選ぶ一首は

 令和三年早々に遂に新型コロナウイルスの感染拡大が増大し首都圏都県に緊急事態宣言が出された。関西地区の3府県も緊急事態宣言を政府に要請した。米国では、トランプ大統領の支持者たちが連邦議会議事堂に乱入して死者もでた。世界は新型コロナウイルスんみならず不安材料が増えている。
 さて、本日は今年2回目の日曜日だ。愛読している「朝日歌壇」を楽しく読んだ。今回も、私の気に入った歌を選んで探してみた。

 「歌ありて長き勤めを乗り越えき辞めて後なお詠むは楽しも仙台市 沼沢 修)」
 ⇒馬場あき子選
 コメント:沼沢さんは、65歳くらいで定年退職したのだろう。短歌を読むことが趣味だったと推測される。「短歌生きる武器になる」と穂村さんが言っていた。沼沢さんは、短歌を読むことで長い勤め人生活を乗り切ったのだろう。

 「エセンシャルワーカーというしゃれた名で働くわれは下級国民(大阪市 足立和子)」
 ⇒佐佐木幸綱
 コメント:エッセンシャルワーカーとは医療従事者を指しているのだろう。名前はよいが十分な補償もなしに働かざるをえなくなっている。「下級国民」という格差社会の象徴のような言葉がいつできたのだろう。

 「試験中おなかが二回鳴りました平行四辺形を解くとき(奈良市 山添 葵)」
 ⇒高野公彦選
 コメント:作者は高校生だろうか?幾何の試験だろう。詠んでいるのは単純な経験だ。この歌を永田和宏さんも選んでいるので共選作だ。素直に読まれているが、こういう「口語短歌」が感動をうむのだろうか。

 「この店はいつまでもつのかそんな店ばかり並んだ裏道通る(岐阜市 臼井 均)」
 ⇒永田和宏
 コメント:コロナ禍のためではなく、どこの街にもあるシャッターを閉じた風景至るまえの状況だろうか?コンビニエントストアがあちこちにできてきて、普通の小売店は、「いつまでもつか」という状況にある。そんあ情景を読んだのだ。

 

今回の、入選歌を読んでみると、いまの「口語短歌」の在りようがよくわかる。今回は、上に紹介したもののほかに、以下の2首が共選歌だった。

 「おじいちゃんがたいいんしたうれしいないっしょにたべるうなぎはおいしい(奈良市 やまぞえそうすけ)」
 ⇒馬場あき子、高野公彦 共選
 コメント:作者は多分、小学生か中学生の子どもさんだろう。ほんとうに素直に感じたままを歌にしている。すばらしいと思う。こういう歌を次々とつくるのだろうか。

 「竹竿に大根干せば小春日の光の中を雪虫流る(蓮田市 斎藤哲哉)」
 ⇒馬場あき子、永田和宏 共選
 コメント:よくあるような田舎の風景であるのだろう。雪虫とは、アブラムシのうち、白腺物質を分泌する腺を持った虫のだという。北海道や東北地方では初雪の降る少し前に出現すると感じられることが多いので、冬の訪れを告げる風物詩となっているのだという。群馬に育った私は雪虫をみたことがない。蓮田市は南埼玉だという。作者は農家のひとなのだろうか。田舎暮らしをしながら歌を作っているのだな。

 「八戸より一万箱余のミツバチが館山に来て越冬しており(松戸市 猪野富子)」
 ⇒馬場あき子、佐佐木幸綱』共選
 コメント:この歌も事実をそのまま報告しているような歌だ。こういうのは私にはよくわからない。「そうですか」としか感じない。

 

 「歌ありて長き勤めを乗り越えき辞めて後なお詠むは楽しも」
  
仙台市の 沼沢 修さんの歌のようなのを作りたい。素直な心情だ。