TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

読書連鎖~『寂しさの力』(中森明夫著)を読んだ

 『昭和文学盛衰史-戦後文学編』を読んでいたら、中森明夫著『アナーキー・イン・ザ・JP』の紹介があった。紹介というより、高橋さんは原文からたくさんの引用をするので概略の粗筋はわかってしまうのだ。それでも、本物をよみたいので、稲城図書館の蔵書を検索した。肝腎のアナーキー・イン・ザ・JP』は在庫がなかったが、『寂しさの力』(新潮新書)はあったので、借りてきた。本日、一息に読んでみた。読んでみると、中森さんは、「アイドル評論家」なあんどいうし、自伝的な記述を読むと、高校製の時には万引きをして警察沙汰になたりしており、かなりヤバい時代を過ごしている。『寂ししさの力』はまとも過ぎるような本である。

 「悲しさは一瞬、さみしさは永遠ーー。」(第一章のテーマ)
 中森さんが、自らの父親の死んだ五〇歳のときに気がついた「さみしさ」がこの本の原点だ。第二章では、「さみしさの偉人たち」を歴史上からとり出している。ヒットラー坂本龍馬大杉栄、アップルを作ったスティーブ・ジョブズ、ディス二―ランドのディズニーまでもが取り上げられている。第3章では、「芸能界は、さみしさの王国」と題して、芸能人のことが取り上げられている。中島みゆき松任谷由美松田聖子山口百恵ほかのことが出てくる。中森明夫ペンネームで、歌手の中森明菜なからとったというのだが、本当なのだろうか?第四章は、「さみしさの哲学」となっていて、モンテーニュ、ルソー、ツヴァイク゚までが出てくる。この章は、あんまり面白くはない。終章『自分が死ぬということ』では、2011年3月11日、あの東日本大震災の日のことが書かれている。このところでは、中森さんのはお母さんの死のことが書かれている。ここでの記述は、ビート武さんが母親のことを書いているのと同じようだ。「母ちゃんはやっぱり懐かしいのだ」と感じた。
 ■『キャッシ―』(文芸春秋社)■
 中森明夫さんが新刊を出した。新聞に記事が出て居た(2021年2月6日 朝日新聞)。読んでみたいので、記憶と記録のためにまとめておきたい。
<いま、アイドルと小説の組み合わせに注目が集まっている。先月発表の芥川賞は宇佐見りんがアイドルファンの生態を描いた「押し、燃ゆ』で受賞した。ジャニーズ所属のアイドル加藤シゲアキが「オルタネ―ト」で直木賞候補になった。>
 さて、肝心の中森さんの 『キャッシ―』には参考にしたモデルがいるらしい。作品を描くうえで、インスピレーションをうけた人物が二人いる。一人目は、さっしーこと指原莉乃。二人目は、NHK朝ドラの「あまちゃん」のヒロインを演じた「のん」だという。今回の小説の表紙の絵を「のん」に依頼しているらしい。中森さんは、言っているんだという。「アイドルなしでは生きていけないと人たちがいる限り、次の世代が出てくる。アイドルには世界を変えてしまうほどの力がすんです。」
 中森さんの新刊を読みたい。
 (この記事は、滝沢文那記者)