TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

今日も『朝日歌壇』を読む

 漫画家の池田理代子さん(73歳)が、『池田理代子第一歌集 寂しき骨』(集英社)を出版した。亡き母への思い、老いと向き合う心境、長年ともに暮らした猫の見取(みと)り、そして、「最後の恋」までが詠まれているのだという。池田理代子さんといえば、東京教育大学出身で、「べルサイユの薔薇」の漫画が超有名である。さらに、かなり遅くなって(40過ぎ)から東京音大に入って声楽家にもなったひとだ。池田さんがずっと歌を作っていたなんて知らなかった。読んでみたい。

 例によって、朝から「朝日歌壇」を読んだ。私の気にいった歌を選んだ。

 冬の富士朝日に浮かべ大鷭(おおばん)を二羽泳がせて山中湖あり(熊谷市 内野 修)⇒佐佐木幸綱選:<コメント>大鷭という鳥はくいなの一種で黒い鳥だ。私はみたことがない。この歌は、素直な写生歌である。

 平日に布団陽にあて包まれるこれもしあわせセカンドライフ宝塚市 河内香苗)⇒高野公彦選:<コメント>庶民の普通の生活を読んでいる。こいうのでもいいのだと感心した。

 携帯を忘れて帰宅してみれば着信歴の無きも淋しき(太田市 安立 聖)
 氷上の人と氷下の魚との駆け引きの果てワカサギ上がる(前橋市 萩原葉月)
 ⇒永田和宏選:<コメント>河内さんの歌は、これも庶民の日常を素直に描いている。萩原さんは、毎週のように入選している。もう立派な歌人なんだろう。言葉の使い方が上手い。

 図書館は注文の多い料理店 手洗え 名前を書け そこに本をおけ(半田市 中野富恵子)⇒馬場あき子選:<コメント>コロな禍での今がよくわかる。「注文の多い料理店」は宮澤賢治だろうが。

 卒論をプリントアウトしトントンとそろえる音のうれしい響き(富山市 松田梨子)⇒高野公彦、馬場あき子さんの共撰だ。卒論仕上げた喜びがよくわかる。

 蜜柑山上り詰めれば故郷の小さき漁港に大漁旗立つ(富山市 鍋田和利)⇒永田和宏、馬場あき子さんの共撰だ。

 以上から、今日の私のお気に入りは下記の歌にした。

 平日に布団陽にあて包まれるこれもしあわせセカンドライフ宝塚市 河内香苗)