TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

高橋源一郎の「歩きながら、考える」を新聞で読んで思ったこと

 昨日読んだ曽野綾子さんの『引退しない人生』の中で、曽野さんがこんなことを書いていた。夜に床に就くときに「今日も穏やかな一日を過ごせて有難うございます」とお礼を言って眠りにつくというのである。曽野さんは、クリスチャンだから神に感謝して当然と言えば当然だが・・・。それにしても、私は傲慢ではないかと思った次第だ。本来なら、今日も穏やかな一日を過ごせて、本が読めてことに深い感謝を捧げなくてはならない。
 今日は、三カ月ぶりに眼科を受診した。半年振りに「視野検査」を受けた。これは、緑内障の進行をみるために半年に一回行っている。幸いなことに前回と変化は余りなくこのまま様子を見ることになった。視力検査の結果、現在使用の眼鏡でよいとのことだ。かくして、今日も本が読める。
「二〇〇二年五月☓日 鎌倉
 雨降りだからマンガでも読もう」
というところを読んだ。高橋さんは、漫画もよく読んでいるらしいと知った。高橋さんが、小学四年生のときに、『少年サンデー』と『少年マガジン』が創刊されたのだと言う。それは、私が中学二年生のときだ。私の時代の漫画といえば。月刊雑誌の『通快ブック』と『冒険王』だったと思う。『通快ブック』を買うために、小学生の私は四キロのみちを歩いた。

<質問-この十年間で、もっとも震撼させられたマンガは?
 回答-もちろん、しりあがり寿の『真夜中の谷治さん喜多さん』ですが、あれはもうマンガとはいえないでしょう。ならば、柳沢きみおの『形式結婚』をあげたいです。>

 こういうのを読むと、刺激される。漫画を読んでみたい。高橋さんて人は、とても正直で真摯で真面目な人なんだと分かってきた。

 そこいえきて、本日の朝日新聞朝刊に、高橋源一郎の「歩きながら、考える」が載っていたので読んだ。見出しは、「男社心の社会でかき消された声」「それを残すため戦った女がいた」というものだ。この記事の冒頭には、例のオリンピック組織委員会の会長の森さんの「女性がたくさん入っている会議は時間がかkります」のことが発端として書いてある。高橋さんは、女性のみかたとかいうのではなくて本質的な点を突いている。高橋さんが言及していたのは以下の人と本だ。
 藤本和子の『ブルースだってただの唄」(ちくま文庫
 森崎和江『から雪さん』(朝日文庫)森崎さんの旦那が新人の谷川雁(現代詩文庫あり)。
 高群逸枝『女性の歴史』 高村の夫が橋本憲三だ。
 石牟礼道子『苦界浄土』 この本は本棚にある。
 <石牟礼が勇気を奮って高群に手紙を書いた2か月後に、高群は亡くなる。翌年秋、突然、橋本憲三が訪ねて来て、石牟礼を驚かせた。妻は手紙を読みあなたと会うことを楽しみにしていた、と橋本はいった。その翌年、石牟礼は、「森の家」を訪ね、およそ5ヵ月、そこに滞在する。深い森に抱かれたその家で、石牟礼は、連載が始まったばかりの『苦海浄土』の続きを書いた。>

 <最後にわたしは、児童公園となった「森の家」の跡地に出かけた。住宅街の中に、なんの変哲もない、小さな児童公園があった。>

 今回の記事には、児童公園にビニール傘をさして佇む高橋さんが経っている写真が出ていた。
 高橋さんは、「長い歴史を書きたい」と言ったのだと言う。女たちが残した言葉のことを書きたいのかもしれないと私は読んだ。