TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「ハンセン病 1834人の解剖録」が見つかった

 「ハンセン病 1834人の解剖録」という見出しの記事が載っていた。2021年3月26日の朝日新聞朝刊だ。北條民雄さんの「命の初夜」を読んでから、そして多摩全生園の最寄り駅の清瀬市に住んでいたので、ハンセン病には強い関心を持っていた。「ハンセン病」をめぐっての目まぐるしい動きについては、このブログでも随時に触れてきた。今回も、記録と記憶のために概要をまとめておきたい。

<瀬戸内海の長島にある日本初の国立ハンセン病療養所「長島愛生園(あいせいえん)」で、開園翌年の1931年~1956年に死亡した入所者のうち、すくなくとも1834人の遺体が解剖されていたことを示す『解剖勒』が確認された。愛生園によると、この間の志望者の8割を超え、「入所者の解剖が状態化していたことを示す資料」と専門家が指摘しているという。
 解剖録は、合計32冊あり、解剖の日付や入所者の名前、手書きの検体図などが記されていた。一人につきA4判で数枚程度。ドイツ語と日本語などで項目ごとに丁寧に記述されて、臓器の状態など色を塗って説明したものもある。1944年末までに限れば、死亡者の97%が解剖されていたという。園は、園内の医師が、診断や治療に誤りがなかったかの検証や、ハンセン病の研究のため、解剖をおこなっていたと見ている。(田辺拓也さんの署名記事から)

 <コメント>当時は、ハンセン病の治療は確立されていなかった。この記録は、原因や治療研究に生かされてきたのだろうか?解剖にさいして本人の同意のない例もあったとのことだ。とすると、ハンセン病患者の人権を軽んじた歴史の一端を示す資料になる。貴重な資料なので今後の情報公開に期待している。