皇室の恒例行事「歌会始の儀」が3月26日、皇居・宮殿「松の間」で開かれた。本来は1月予定がコロナ禍の影響で遅れての開催だ。今年のお題は「実」だ。
天皇・皇后両陛下は、新型コロナウイルス感染症の収束を願う気持ちを歌にしている。
人々の願ひと努力が実を結び平けき世の到るを祈る(天皇)
感染の収まりゆくをひた願ひ出で立つ園に梅の実あをし(皇后)
歌会始には、皇室のほかに、「召人」と「選者」および全国からの「入選者」10人が選ばれている。
召人には加賀乙彦さんが招かれていた。
「千年を生きむ樟の木が実在し巡りて子らは駆けっこをする」
加賀さんは、本郷の多分、本郷ハウスという高層マンションに住んでいるらしい。本郡1丁目には、大きな樟があるのを私もしっている。それを詠んでいる。
「若き日の実験ノートに残されて芙容のごとき歌の断片(きれはし)」
永田さんは、細胞生物学者なので、実験の際にも、歌が浮かんでくるとノートにメモしていたのだ。
お題の、「実}は、「み」でも「じつ」でもよいのだと知った。
来年のお題は、「窓」と決まった。昨年から、歌に興味を持ったので面白く感じた。歌って、千三百年の伝統なんだと改めて知った。皇室のかたってみんな歌人なんだね。