TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

今日も読んだ「朝日歌壇」について

   毎週、朝日歌壇を読むのが習慣になった。読めば読むほど、自分で歌を詠むのが難しくなってきた。大人には、詠み方のコツというか、佐佐木幸綱さんが言うように「助走期間」での訓練が必要なようだ。500首詠めば少しわかり、千首詠めば歌の神が舞い降りてくると仰っていた。そんなものなんだろう。一方、小学生というか子どもの歌は素晴らしく素直で心に響くものが多いと感ずる。
 さて、今日も私の「秀歌」を捜してみたい。

 <もものはな咲けばさびしいふるさとのもものはな咲きさびしくなれり(垂水市 岩元秀人)>⇒永田和宏選:たんたんと歌った中になんともいえぬ情感を感ずる。作者は何歳くらいのかただろう。ももの花は華やかな花だと思うのだが。

 <シニアの支援はかけ声だけで不採用つづく七十歳雇用の壁(市川市 都竹秀樹)>⇒馬場あき子選:現実は厳しい。厳しい現実をありのままに詠んでいる。

 <脈をとり眠れましたかと聞く人よあなたこそ全くねていないのに(出雲市 塩田直也)>
 <でっぷりの男前いた昭和の街よ例えば滝田ゆう中上健次国立市 加藤正文)>⇒佐佐木幸綱選: 佐々木さんの選から2首を選んだ。世相を描いた歌だ。塩田さんは入院しているのだろうか。こういう素直な詠み方が羨ましい。加藤さんの歌も面白い。昭和を駆け抜けた中上健次は、私と同年代の作家だ。色々な作品を買って読んだ。中上さんは飲んで議論して激しいケンカをしていたと聞いた。駆け抜けて行った巨人だ。私は自己主張のできない女々しい男のままで齢を重ねてきた。

 <嫁はんか家内か妻かウチのんか夫の使用語彙を知らない(堺市 丸野幸子)>⇒高野公彦選:堺市の丸野さん、面白い発想の歌ですね。丸野さんの夫さんはタ分、幸せなんだろうと思う。

 <「最初はグー」二度目もグーの二歳時に皆チョキを出す春のお茶の間(相模原市 阿久津シメノ)>⇒永田和宏、高野公彦共選: 「一首目は皆でチョキを出して負けてやるほのぼのとした茶の間」と、永田さんがコメントしている。高野さんも孫を持つ年齢なので、こういう歌がよくわかるのだろう。

 <この春の卵育てむ飼育箱洗ひ揚げたり揚羽を待って(仙台市 武藤敏子)>⇒馬場あき子、佐佐木幸綱共選:生活に根差した歌だ。なんの飼育箱だろう。

 <保育所に持たせし水筒空となり春の来たるを確かむる夜(水戸市 加藤慶子)>⇒佐佐木幸綱、高野公彦共選: 最近、子どもたちは水筒を持参している。戦後の私たちが育ったころは、水道の水を直接にゴクゴク飲んでいた。小学校では水道の蛇口を上向きにしていたものだ。 

 以上から、本日の一押しの歌は以下の歌にする。

 でっぷりの男前いた昭和の街よ例えば滝田ゆう中上健次国立市 加藤正文)

 「朝日歌壇」のとなりの「朝日俳壇」も読んだ。俳句も面白いね。四つの句を選んだ。

 その恋に愛はあるんか猫の恋川崎市 小関 新)⇒高山れおな選
 濁世にも染まぬ桜でありにけり(伊万里市 大久保花船)⇒稲畑汀子
 花に咲く力あり散る力あり(大阪市 眞砂卓三)⇒長谷川櫂
 思ひ出も居場所の一つ老の春(高槻市 日下総一)⇒大串 章選

 ⇒花に咲く力あり散る力あり(大阪市 眞砂卓三)
  
この俳句とてもいいね。