TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

学ぶに遅いことなし、読むのに遅いことなしか

 「コロナに生きる言葉集」という、朝日新聞夕刊(2021年5月1日)で実に興味深い記事が出ていた。
<開けっぱなしの心やから沈没しない 大阪の定時制高校へ通う 80歳の村田十詩美さん 子どものころ、貧困で学ぶ機会を奪われた。いつか漢字を書けるようになりたかったが、仕事や4人の育児に追われてかなわななかった。それでも縮こまらなかったのは、心はとざさず風通しを良くしていたから。昨春夜間中学を卒業し、いま定時制高校尾へ通う。人生の手綱を手放さない限り、明日は来る。「だからあっけらかんとね」>
 あまりに共感したので全文を引用してしまった。随分まえにこんな記事も読んだことがある。
 80代の女性(だったと思う)が、大学に入って学びなおしたいと言ったところ、「今更、学んでなんになるの、どうせもうすぐ死ぬんだから」と家族に反対された。その方はこうこう応えた。「大学に入っても入らなくてもどうせ死ぬでしょう。同じ死ぬなら、すきなことしてから死にたい」。
 今年の3月31日の、朝日新聞掲載の「耕論」に小説家の西村健太さんが面白い発言をしていた。概要を紹介したい。
<コロナ禍で若者かわいそう?それ、大人の勝手な見方では。 何も命をとられるわけじゃなし。そんな風に思うのは過保護な気がします。>
 <西村さんが11歳のと時に父親が性犯罪で懲役刑になり家族は瓦解する。「何かを築いても、突然全部崩れる」と学びました。・・・・いわゆる青春がないことに、さみしかったり後悔したりは全くありません。・・・・・ひどい目に遭い続けて、心が死んでいって、諦めて、「それでも生きていかないと」となったら、逆に自分を不幸だとすら感じなくなるのかもしれない。>
 西村さんお発言を読むと、「さもありなん」と思う。学校にいけなくて、リモート学習だって何だっていいじゃないか。死ぬわけではないし、学べるんだろう、と言いたくもなる。

 ということで、先週来、『新カラマーゾフの兄弟』『三四郎』『ラストカムイ』『書きあぐねている人のための小説入門』を交互に読み続けている。それって何かの役に立つの?って言われると困る。ただ、読んでいると面白い。