TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

三四郎を読んだ

 漱石三四郎を読んだ。この小説は、漱石が東大をやめ、朝日新聞社に小説を書く社員として入社して三作品目だという。虞美人草、炕夫に次ぐ。三四郎は熊本高校から東大にはいる。そこでの一年くらいの本郷上野界隈での生活が描かれている。新聞連載小説なんだが、かなり教養かわないと分からない世界である。熊本から上京の車中で隣り合わせた女性と途中の名古屋で同じやどで同衾を余儀なくされた一幕がある。別れ際に、貴方は度胸の無い人ね、という一言をおんなが残してさる。本郷での、佐々木という友人、野々宮さん、広田先生、野々宮さんの妹よし子、なぞの女のような里美美彌子、そして主人公の小川三四郎、話しはたわいがないけど実はエリートたちの人間模様ではある。ラストはこうだ。

 三四郎は何とも答えなかった。ただ、口中で、迷羊、ストレイシープと繰返した。

 三四郎は、23歳の迷える羊だった。

 漱石が小説社員として朝日新聞社にいた頃、石川啄木は本郷から朝日新聞の校正者として銀座の朝日新聞社へ通っていた。その一年後くらいには、結核性腹膜炎て27歳で死んだ。啄木は二葉亭四迷の本の編集もしていたらしい。

 漱石の行人という本を読んだことがある。漱石は人のこころを書いていたんだと知った。