TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

『新カラマーゾフの兄弟 下』(亀山郁夫作)を読みながら考える

『新カラマーゾフの兄弟 下』を読んでいる。第3部の、第8編まできた。嶋先生が山中湖周辺の別荘で独りで死去し、その葬儀の場面まできた。登場人物の一人「K先生」と黒木(旧姓母方の三上)リョウとの出会いのところの会話を結構面白く読み進めてきた。しかし、ここにきてこの小説は何をいいたいのかが分からなくなってきた。時代は1995年という、オウム真理教のひとが地下鉄サリン事件を起こした年だ。黒木家の実家が新宿区の野方にある。「K先生」の自宅(マンション)も野方にあり、しかも「K先生」(どうも東京外語の先生らしいは、黒木家の地下室のある邸宅を、相続した黒木イサム(医師)から、不動産業者を介して買い取ろうとしている。「K先生」も、亡くなった嶋さんと付き合いがあったので、山中湖の嶋先生の葬儀に出席する。ここまで読んできた。

 そこで、インターネットで、『新カラマーゾフの兄弟』について調べてみた。そして、木下豊房さんという日本ドストエフスキー協会の会長が亀山郁夫さんによる新訳「カラマーゾフの兄弟」(光文社)はひどい誤訳があると批判している。木下豊房さんは、早稲田の露文のひとでお名前を存じ上げていた。多分、亀山さんより二回り(20歳くらい)年齢が上の方だ。この論争は、当時は有名だったらしい。『新カラマーゾフの兄弟』についても猛烈な批判をしている。さらにネットをみていくと、2008年9月24日、「これから初めて『カラマーゾフの兄弟』を読む人のために―亀山郁夫による新訳がいかにひどいか」というタイトルの「亀山郁夫批判」をブログで公開しているのを見つけた。kinositakazuo.hatenablog.com というものだ。この木下さんて、木下豊房さんだろうか。
「ごくふつうの、一般の読者として亀山郁夫には『カラマーゾフの兄弟』がよめていません。」と猛烈に批判して、読むなら新潮文庫の原 卓也訳にしなさいと、言っている。
 これって何となる。私はカラマーゾフは米川さんで読んで、原 卓也さんの本も持っている。亀山さんは、原さんの教え子で、二人ともが東京外語大学の教授から学長まで務めている。どっちを読んでらいいんだよ。原文で読むのが一番いいとなる。
 こんな時には、中村健之介さんがお元気なら一言聞いてみたいのだが・・・。それができずに困ってしまう。まずは、『新カラマーゾフの兄弟 下』を読み終えて、木下さんの亀山批判を検証してみようか。でも、どうでもいいか?