TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

『森と湖のまつり』(武田泰淳)を読み継いでいる

 『森と湖のまつり』(武田泰淳)を読み継いでいる。半分近く「十一」まで読んできた。画家の佐伯雪子と風森一太郎の出会いの部分まできた。泰淳さんは、どのようにアイヌ部落を取材してこの物語をかいたのだろう。いささか長いこの物語の展開は遅いのだ。まだ佳境に入っていないので面白さが分からない。いま読んでいるところでは、画家の佐伯雪子が、言葉にならに衝動で動いているのが気になる。

「私は、現代における芸術家なるものの存在が、つねに不安でならなかった。女画家、佐伯雪子さんを、これでもか、これでもかとひどい目に遭わせ、困難な武者修行を強行させたのは、芸術家という、あいまいにして傲慢になりがちな選手を、原始と生産の大海原で試してみたかったからに他ならない。」

 泰淳さんが、「あとがき」でこう書いていた。なるほど、このものがたりは、実話ではなくて、泰淳さんがつくった物語なんだ。一太郎は、砂澤ビッキがモデルだが、雪子のモデルは誰なんだ。読んでいくうちにわかるだろう。