「麦飯の弁当もなかりし友よ(大阪市 今井文雄)」
上の句が、長谷川櫂さん、高山れおなさんの二人から選ばれていた。これって俳句なんだろうか?「575」にもおさまってない。子どもの頃に、私の弁当は、麦飯に沢庵と紅ショウガだった。おかずは粗末でも麦飯はあったのだ。二人が選んでいるがコメントはないので、選ばれた理由がわからない。
「母と子の同じ顔してバナナ喰ふ(静岡市 松村史基)」
この句を、稲畑汀子さんが、選んでいる。こちらはわかりやすい。
さて、短歌に移ろう。
<気にすれば大音響の蝦蟇の声気にしなければ不思議と聞こえず(菊池市 神谷紀美子)>⇒馬場あき子選: この歌の情景はわかる。
<利根川に寄り添うように満目の青田が満ちる水郷の初夏(潮来市 根本健助)>⇒佐佐木幸綱選: こいう風景もあるんだね。
<認知とは死を和らげる神の愛 認知の友がこんなこと言う(宮崎市 太田博之)
<無為徒食役に立たない私ですワクチン接種ビリでいいです(沖縄県 和田静子)>⇒高野公彦選: 二つとも庶民の歌ですね。下手に政権を批判する社会詠よりもこちらを採りたい。
<根拠なきコロナ対策定まらず総理の揺れる視線のように(観音寺市 篠原俊則)>⇒永田和宏選: 篠原さんは毎週選ばれるね。全く世相を切り取るのが上手い。
<「復興「」の掛け声徐々に薄れてきて「やるためにやる五輪」となりぬ(横浜市 白鳥孝雄)>馬場あき子、永田和宏共選。: この歌も上手いけれど、感動はしないんだな。
今週の私の選ぶ歌は、「無為徒食役に立たない私ですワクチン接種ビリでいいです」にしよう。競ってワクチン接種予約した己を少し恥ながら。