『老いの愉楽ー「老人文学」の魅力』という面白そうbな本を稲城図書館で見つけて借りてきた。
<老いることの豊かさを確認し、老いを愉しむための本作りをしたい、高齢化社会に向けて、発信し、エールを送りたい>というのが、編集の趣旨だという。
「老いの創造 老いのエロス」という括りで、女性と男性各8名が取り上げられて論じられている。女性は、瀬戸内寂聴、田辺聖子、大庭みな子、円地文子、幸田 文、林芙美子、宇野千代、岡本かの子である。一方。男性は五木寛之、黒井千次、古井由吉、小島信夫、川端康成、伊藤 整、谷崎潤一郎、石川淳である。論じているのは、女性は女性、男性は男性である。その理由は以下のようだ。
「それぞれの性の深層に分け入って、自由に作者の創造世界に羽撃き、批評を展開するためである。」
トップは、編者の一人尾形明子さんが、「いよいよ華やぐ命なりケリー表現することにエロス」という表題で瀬戸内の深層に迫っている。瀬戸内さんは、私に言わせれば「突き抜けた女」なので、、もう怖いものなしであろう。朝日新聞の毎週木曜日に連載中の「残された日々」を読んでいる。もう、いつお迎えがきてもいいと座して待っているのであろうと思う。
<瀬戸内寂聴の七十代、八十代が「いよいよ華やぐ」命そのもであることを、私たちは驚嘆しながら受けとめる。>
<「場所」(平成13年5月新潮社刊)を、私は瀬戸内文学の最後方におく。>と尾形さんが書いている。この本んを読んでみたい。「場所」は瀬戸内さんが男と暮した日々をその場所に即してかいているものらしい。
(更新予定)