「神のみが知る我が命蝉もまた(国分寺市 石川春子)」⇒ 稲畑汀子選
「ごきぶりを眼で追ふだけの齢なり(藤沢市 寺田篤弘)」⇒ 長谷川櫂選
「接種終へ命惜しむや蝉しぐれ(横浜市 細野八重子)」⇒大串 章選
「蟻群れる王や瀕死の兜虫(船橋市 斉木直哉)」⇒高山れおな選
⇒俳句は、すっきりとしてわかりやすいのが好きだ。一押しは、これ。
神のみが知る我が命蝉もまた(国分寺市 石川春子)
次に、歌壇に移る。今週も夏枯れのように思う。心に響く歌が少ない。
<おやつまえスーダラ節を口遊(くちずさ)み食堂に来る杖をつく人(川崎市 川上美須紀)> ⇒ 佐佐木幸綱選:「老人施設の食堂だろう。植木等を思わせる自由気ままな老人の登場」と佐佐木さんがコメントしている。
ただ、この歌のひとって、自由気ままなんかな?と私は思えない。
<老いたれど歌詠むほどの温かき血流ありて蚊にも刺さるる(大分市 岩永知子)>⇒高野公彦選。
反対も応援もしたいジレンマを矛盾と言うならそもそもが矛盾(川崎市 川上美須紀)>⇒ 永田和宏選: 川上さん、今週は2首が入選だね。
<霧深しお花畑の湿原に小川流れて岩魚が群れる(小城市 福地由親)>⇒ 馬場あき子選: 歌はわかるんだが、これ事実か? お花畑は高山の平地であって、小川は静かに流れる。岩魚は急流の冷たいみずにしか住めないのではとおっもうが・・・。
今週の一押しは、
老いたれど歌詠むほどの温かき血流ありて蚊にも刺さるる(大分市 岩永知子)
岩永さん、あなたまだ若い。蚊にも好かれている。