TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「人はみななにかにはげみ初桜(深見けん二)」を読む

 恒例の朝日歌壇俳壇を読んだ。
 今日は、俳人の山田閏子さんが、「うたをよむ けん二の虚子恋」というコラムを書いていた。
 百歳は近くて遠し星祭る
 百寿まで半年を残し、深見けん二さんという俳人が9月15日になくなったんだという。深見さんという俳人を私は知らないのだが、19歳で高浜虚子の許で俳句を始め、東京帝国大学に入学して山口青邨と出会うこともできた。
 上に載せた「人はみななにかにはげみ初桜」は、63歳の時の作で代表作であるのだという。
「平明で余韻がある。晩年はより虚子への傾倒が強くなり、虚子の『進むべき俳句の通』を読み返しては、新しい発見があると嬉しそうであった」と、山田さんが紹介していた。

 俳句も、短歌も文藝であり、一生を費やしても足りないくらいなんだと知った。

 さて、今日も、朝日俳壇と歌壇を読んだ。

<流れ星は父の声母のこゑ(鹿児島市 青野迦葉)>⇒ 稲畑汀子

<白髪はそのままで良し妻の秋(横浜市 三谷正男)>⇒長谷川櫂

<満月や砂場に眠る三輪車(越谷市 奥名房子)>⇒大串章

<敬老日はっとするほど寂しけれ(新潟市 磐田桂)>⇒高山れおな

⇒俳句は、人生のあるいは人のこころを切り取るのだ知った。

 次に俳壇を読む。

<幾重にも畳てホームレスは持つワクチン集団接種のチラシ(観音寺市 篠原俊則)>
<副反応の熱のトンネル抜け出して朝のパン屋へ朝日を浴びて(富山市 松田わこ)>

<ふわふわのタオルケットを新調し私の夜がやわらかくなる(富山市 松田梨子)>
<弟の畑で咲いた花オクラバッタに食べられずに残ったよ(奈良市 山添 葵)>
⇒ 以上は、馬場あき子さんの選である。

<ハリウッド映画に多き三密のシーン煙草のシーン懐かし(東京都 十亀弘史)>⇒佐佐木幸綱

<副反応の熱のトンネル抜け出して朝のパン屋へ朝日を浴びて(富山市 松田わこ)>
<浄土では夫に会わずともよしと白洲正子も母も言ひけり(宮崎氏市 池江 諭)>
<花オクラ大きな花がさいたからなかよしのこうたくんにあげたよ(奈良市 やまぞえそうすけ)>
⇒ 高野公彦選

<ああ私ハイネにもなれぬリルケにも秋がこんなに燃えているのに(姫路市 鎌田シオン)>

<「母さんの惚れた男に口答えするな」と子らに言って欲しかった(下野市 石田信二)>
<嘘だけはつくなと背中で言った父言った気がする多分言ってた(霧島市 森浩希)>⇒永田和宏: 永田さんの今週の選び方は、社会詠ではなくて個人詠を選んでいる。「鎌田さん、この燃える秋を表現する力が私にはないと痛感している。リズムがいい。」と永田さんがコメントしている。

⇒ 今週も常連の方入選していた。

母さんの惚れた男に口答えするな」と子らに言って欲しかった(下野市 石田信二

 石田さん、奥様は先立たれたのかな?こんな歌を詠める伴侶に恵まれたのだから幸せなんじゃないか。

 「人はみななにかにはげみ初桜」 生きるとはこういうことなんだ。突き抜けるまで、愚直に生きる!