TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

歌が詠めないから今日も歌を読む

 「白鳥はふっくらと陽にふくらみぬ ありがとういつも見えないあなた」
 (『泡宇宙の蛙』)

 大森静佳という歌人が、本日の歌壇俳壇の真ん中のコラムに、「うたをよむ 大きくて 小さな祈り」というエッセイを書いていた。
<今年、長らく入手困難だった渡辺松男の第一歌集『寒気氾濫』(1997年本阿弥書店刊)が、書肆侃侃房の、「現代短歌クラッシックス」から復刊された、と書いてあった。冒頭の歌は、渡辺の歌集に載っているのだろう。
<人の目に見えないこの「あなた」とは、神様ののようなもの、たとえば白鳥にふくよかな明るい、陽射しを注いでくれる太陽の力、人智を超えた自然の力のことだろうか。生きていることへの静かな祝福のありように、しんと胸が熱くなる。>こいううふうに、大森さんがコメントしている。

 今日も、朝日歌壇と俳壇を読んだ。
野の花の色となりゆく秋の風高崎市 山本春樹)>⇒稲畑汀子選:稲畑さんが。「風を花が染め上げる。秋の風景が心地よく目の前にひろがってゆく」とコメントしている。分かるようで分からないような俳句だ。

 さて、次は歌壇に移ろう。

<杭あらば杭に止まりて鬼やんま尻尾にみせる息遣ひなり(厚木市 北村純一)>⇒永田和宏選: 鬼ヤンマとおいう蜻蛉は大きくて、行ったり来たり飛んでいる蜻蛉だったと思う。夏の陽の昼下がり、杭があればその杭の上に止まることもあったのだろう。北村さんの、切り取り方が凄いと思う。
地震があれば無事を問うラインが複数くるちゃんと幸せじゃないか私は(東京都 上田結香)>⇒永田和宏選: 上田さんは若いかたなんだろうか。余裕をもって生きている。

<ズッキーニ古着古本万歩計二十歳になって気に入ったもの(富山市 松田わこ)⇒馬場あき子、高野公彦共選: 松田さん、また入選だ。歌がうますぎるよ。二十歳の恋をしてみゆおではないか。その後の歌が読みたい。
<髪の毛が黒でなければならぬ理由語れず生徒に黒をもとんめき(観音寺市 篠原俊則)>⇒馬場あき子選: 篠原さんは、高校の教師なんだろうか。常連の入選歌人の背景がわかった。中学や高校の生徒は、親に貰ったお金で、髪の毛を染めてはいかんだろう。アルバイトでお金を稼いで、染めるのなら文句を私はいわないが。

<ミナマタもオノダの映画も外国の人の手によりできた」歯痒さ(滋賀県 木村泰崇)>⇒佐佐木幸綱選: 映画「ミナマタ」の製作はジョニー・デップ。「オノダ」は、フランス、ドイツ、ベルギー、日本の共同製作。映画を見てみたいな。別に、歯痒いとも思わないが。
<秋祭り二年続きの自粛なり神輿出すだけ風当てるだけ(横浜市 徳元てつお)>⇒佐佐木幸綱、馬場あき子共選: この歌がなぜ選ばれるのか?面白くもなんともないが。

<案の定アサギマダラ立ち寄りぬ藤袴庭に咲かせて待てば(前橋市 荻原葉月)>⇒佐佐木幸綱選: 荻原さん広い庭持ちなのかな。出来過ぎた歌だね。

<えん足の帰りのバスで見た「コナン」いいところなのに学校につく(奈良市 山ぞえそうすけ)>⇒高野公彦、馬場あき子選: 山そえ君は小学生歌人だね。

どうも、こころに響く歌が見つからない。そしたらあった。

痩せたねと言われて嬉しかったのは心も体も丈夫なころだ(秦野市 三宅節子)」⇒永田和宏選:
 この歌は、その通りなんだろう。三宅さん、すこし老いてきて体調を崩したんだろう。