TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

長谷川和夫さん逝く―92歳

 2021年11月13日に、長谷川和夫さん(元聖マリアンナ医大教授・精神医学)が亡くなったとの報道が昨日なされた。92歳とのことだ。生田房弘さんも93歳で亡くなった。伊藤正男さんも90歳で老衰で亡くなった。癌などの大きな疾患を持っていなくても、90歳くらいが人の天寿なのかもしれない。105歳の日野原重明さん、99歳で亡くなった瀬戸内寂聴さんは例外だろう。持病のある74歳と11ヵ月の私の余命は長くても10年くらいか、あるいは明日はないものと思ったほうがよいのか、後ろは考えずに何時も新しいことを始める意欲こそが瀬戸内さんや日野原さんの生き方だったはずだ。ともあれ、長谷川さんは私の記憶に残る「医人」の最右翼の方なので概要を記録しておく。

 長谷川さんは、認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長を死ぬまで務めていたらしい。自らの認知症罹患を公表した長谷川さんに課せられた名誉職だったのだろう。
 長谷川さんは、侮蔑的な意味あいを含む「痴呆」という名称の変更を国に働きかけて、「認知症」という新たな用語を提起した(2004年)厚生労働省の検討会にも委員として参加した。
 長谷川さんが自らが認知症の診断を受けたのは2017年のことだった。そ事実をメディアに公表した。その後も「認知症というのは決して固定した状態ではなくて、認知症とそうでない状態は連続している。つまり「いったりきたりなんだ」などと、当事者としての言葉で認知症についての発信を続けた。認知症診断後の2018年、子どもたちにケアの理念を伝えようと、認知症の祖母と孫の交流を描いた絵本「だいじょうぶだよーぼくのおばあちゃんー」を出版した。

 長谷川和夫さんの講演は30年前から何回も聞いてきた。このブログでも紹介してきた。長谷川さんが、「認知症」とは、それまでの自分と連続したものだと言ってくれたことの意味は大きい。ひとは長生きをするようになったので、身体の老いと心のの老いとが少しチグハグニなったのが認知症ということなんだろう。
 ともあれ、長谷川さんお世話になりました。また、次の世でご講演を拝聴します。