鎌田さんといえば、養父母に育てられ、東京医科歯科大学を出て医師となり、諏訪中央病院の院長を長年にわたり勤めた。諏訪中央病院は、東大闘争の闘士のの今井澄さんが院長をしていた。その後任として、1988年に鎌田さんが院長になり病院を立て直したようだ。地域医療で優れた活動をおこなったことがテレビで報道されていた。
頑張らない』『スクワットかかと落とし』『あきらめない』とうの、一般向けの啓蒙書をたくさん書いている。この鎌田酸さんは、73歳だから私と同年代だ。ご自身も老いてきて、そのことを本に書いているようだ。
<家族や集団のばかでこそ、60代からは「ソロ精神」を発揮>というフレーズが書いてある。
どちらかというと、鎌田さんはマスコミに出過ぎなので、あまり好感度を持っていない。この本は、興味があるので、本屋で見てみよう。多分、「かんき出版」の編集者が書かせた本であろう。
追加して、今日の新聞から興味深い本を記述しておきたい。
(1)「ひもとく」のコラムで、作家の川上弘美が、「瀬戸内寂聴の文学」を書いている。『夏の終わり』『蘭を焼く』『場所』の三冊を推薦している。『場所』は瀬戸内さんの70代の連作短編集である。
(2)「著者に会いたい」のコラムで、斎藤希史さん(東大教授)の、『漢文ノート 文学のありかを探る』(東京大学出版会)が載っていた。
<高校のとき、吉川幸次郎の本と出会った。「ことばの一つ一つを丁寧に論じながら、ことばがピチピチはねてくる」。その躍動感にひかれ京都大へ。中国文学を学び、「本を読み続けたい」と研究者になった。>
高校時代に、吉川の『杜甫ノート』を愛読した。『漢文ノート』の題は、そのアナロジーだ。本屋で見てみたい。