TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

朝日俳壇と歌壇を読む

 日曜日1月2日は、新聞が休みだった。したがって、1月9日(日)は、令和4年(2022年)の初回の俳壇・歌壇である。

  第38回朝日俳壇賞が、各選者から発表されていた。
 <くれなゐの強弱万の曼殊沙華(米子市 中村襄介)>⇒稲畑汀子選: 「怪しいまでの赤の曼殊沙華。微妙な色の違いに着目した感性が見事。」と稲畑さんがコメントしている。

<ゆく秋のあとをとぼとぼついてゆく(栃木県壬生市 あらゐひとし)>⇒長谷川櫂選: 「あらゐさんの句はおもしろさに、最近、深みが加わった。この句のように。」と、長谷川さんがコメントした。
 この句が印象に残っていて、私のフェースブックの散歩の写真の後で、「ゆく秋を青息吐息で追いかけて」という、俳句もどきを作って載せた。
 <枯葉舞ふシャンソン唄ふごとく舞うふ(東京都 岸田季生)>⇒大串 章選: 「シャンソン唄ふがごとく」が一句の眼目。高英男の歌声が聞こえる」と大串さんがコメントした。高英男という声の高い歌手を知る人は今は少ないね。
<その恋に愛はあるんか猫の恋川崎市 小関 新)>⇒高山れおな選: この句を目にして、新鮮な想いがした。

 さて、今週の俳壇を読んだ。気にいたのを載せる。
<楽しめり正月という曖昧を(境港市 大谷和三)>⇒高山れおな選:「曖昧」に共感、と高山さんがコメント。尾崎紅葉に、「混沌として元日の暮れにけり」という句があるんだという。
<恋多き尼僧の墓に雪こんこん(東京都 小山公商)>⇒長谷川櫂選: 「寂聴さんの新しい墓に降りしきる雪。その一生を降り埋めるかのように。>と長谷川さんのコメントだ。寂聴さんは好きな作家であるが、その若き日の愛欲は凄まじく、愛でも恋でもないだろう。気の赴くままにというか、普通なら、幼い娘を捨てて若い男に走ることはできないのが人の常だ。寂聴さんも「ある種の恋病」という才能を持っていた。
<恙無し老いの布団を並べ干す(埼玉県宮代町 鈴木清三)>⇒大串章

 次に、俳壇に移る。
<僕は君の濡れ落ち葉だと笑ってたあなたをくっつけてどこへいこうか(高松市 高崎英子)>
<ママとおだんご作ったやめなさいと言われたけどおさらのきなこもなめちゃった(蒲郡市 みやしたせな)>
 ⇒上記の2首はは永田和宏選: 「高崎さん、亡くなった夫だろうか。濡れ落ち葉でも何でもいいから一緒にいたいと切に思う。」と永田さんがコメントしている。みやしたせなさんは、小学生かな?微笑ましい言葉あそびと評価していいのかな?

<今週の給食当番エプロンは私が家庭科でぬいました(奈良市 山添葵)>⇒馬場あき子、高野公彦選: この歌は二人が選んでいるから、評価せれたんだろうが、これって小学生が詠むからいいので、なんでもないよね。事実の報告ではないか。

<異国語の飛び交う冬の白川郷どのアングルにも原色のダウン(恵庭市 西原由佳)>
平和橋過ぎて二つ目忍橋バス停の名に滲む戦後史(東京都 十亀弘史)>⇒佐佐木幸綱選:「外国人観光客だらけの白川郷を撮ったスナップ写真のような一首」と佐佐木さんがコメント。このコロナの時代に外国人が訪れているのだろうか?
 十亀さん、このような目で見て詠む歌も上手いね。

AIや5Gの世の中に陰部拭く布清拭と言う(横浜市 太田克宏)>高野公彦選: 太田さんは、介護施設で働いているんだろう。こういう歌もいいね。

 今週の一押しは、太田さんにする。

■俳壇選者の稲畑汀子さんが引退する■
 「稲畑汀子選 40年ありがとう」という記事が載っていた。上掲の俳壇選で、稲畑さんは降りるんだという。約40年も選者をやってきて、今は91歳なんだ。凄い人だ。
 朝日俳壇には、毎週、5千句から6千句が毎週寄せられる。四人の選者は、全てに目を通して各自が10句を選ぶ。
 <懐かしや兜太とバトル汀子選>という句を、北九州市の秋吉晃さん(84)が読んでいる。
<「季題がないものは単なる短詩」が信念の稲畑さんに対して、1987年~2018年まで選者を務めた金子兜太さんは「俳句は自由。季語にこだわる必要はない」。俳句イベントでの二人の討論は名物になった。>
 なるほど、そういう人なんか。俳句を作人も生き方を強くするようだ。金子兜太さんは、たしか、日銀jんつとめばがら俳人となった。小川町に住んでいて、数年前に亡くなった。

■気になる本のこと■
『読みかえす 日本の名句・名歌』(いそっぷ社)。詩人の高橋順子さんが編集していて、解説をかおいている。読んでみたい。