TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「脳と心」の研究はどこまで進んでいるのだろうか?

 「脳と心」の研究はどこまで進んでいるのだろうか? 興味深いところである。
 今日も古い資料を紐解いたというより整理しながら読んでみた。雑誌「日経サイエンス」(1992年11月号)が、「脳と心―発生・記憶・学習・言語・老化・視覚・性差・精神病・意識」という特集をしていた。この「日経サイエンス」は、米国の雑誌「Scientific American」の日本版である。もしかしたら、この頃、「Scientific American」の編集長をしていたのが、元Nature東京局長のAlun Andersonさんかもしれない。それはさておき、この特集号は実に充実している。以下に、収録論文の一部を紹介する。
(1)G.D. フィッシュバック「脳と心」
(2)S. ゼキ「脳と視覚」
(3)E.R.カンデル、R.D.ホーキンス 「ニューロンレベルでみた学習」
(4)A.R.ダマジオ、H.ダマジオ 「脳と言語」
(5)P.S. ゴールドマンーラキッチ <ワーキングメモリー
(6)D. キムラ 「脳の性差」
(7)E.S.ガーション、R.O.リーダー 『心の病気と脳」
(8)D.J. セルコー 「脳の老化と心の老化」
(9)C.E. ヒントン 「内部表現を獲得する人工ニューラルネット
(10)F.クリック、C. コッホ 「意識とは何か」

上記の、タイトルを見ても興味深いテーマだ。この特集記事から、29年を経た現在、これらの論文はもう古くて読むに耐えないのだろうか? 最も興味を持った、「(8)セルコーの脳の老化と心の老化」を読んでみた。とても興味深く裨益するところが大きい。セルコーは、1943年9月25日生まれの米国の神経学者で、アルツハイマー病の専門家だ。件の論文の要旨はこうだ。
<老化により、脳の特定のニューロンは摩滅し,化学的に変性する。しかし、実際には、これらの変化によって、目に見えるほどのひどい知性の低下は起こらないのが普通だ。>
 この論文には、今読んでも参考になる記述がある。老化を遅らせ、認知症を遅らせる生活の指針がかいてあるので、役に立つところを記述する。
 ① 脳は老化してもこころは衰えない: 老齢になると若い時ほどは速く学んだり思いだいたりできないが、しかし見劣りしない程度にはできる。
② 老化とアルツハイマー病: 多くの研究室で、βアミロイドの化学的、分子生物学的研究が進み、この複雑で、しかも悲惨な疾患の最初の原因分子が解明されるに至った。
③ 家庭内でできる手軽な老化防止法は、肉体的な健康を保つことである。
④ カロリー制限が寿命を延ばす。アルコールは神経系の活性に悪影響を与える。
 結論的に、「体と心の上手な老化は、創造性と活力を必要とする経済的、社会的成功を生み出すことだろう」と言っている。この論文の、原題は「Aging Brain, Aging Mind」である。29年前の論文だが役に立つ。

 (10)「意識とは何か」を書いているのは、DNAの構造を解明したあのワトソン―クリックのクリックである。クリックは、1962年にノーベル賞をもらった後、米国に移り、1976年からサンディエゴにあるソーク研究所で、「意識」の研究をしていた。クリックは,2004年7月28日に88歳で亡くなった。福岡伸一さんが、ソーク研究所でクリックをみかけたことをエッセイで紹介していた。原題は「The Problem of  Consciousness」である。

 <コメント> セルコーの論文を読むと、老いたらカロリー制限が大事とよくわかる。日野原重明さんが長生きをしたのは、野菜ジュウスとビスケット二枚くらいの朝ごはん、昼も紅茶くらい、夕食はタンパク質も食べていた。適切なカロリー制限食にあったのだろう。アルコールが脳によくないのは、その通りだろう。そういえば、お酒を止めた作家の町田 康さんが面白そうな本を出版した。『男の愛ーたびだちの詩』という本だ(左右社刊)清水の次郎長のことを書いたんだという。<生来の荒くれものである次郎長が、養父母との確執や同級生・福太郎への初恋を経て、国を捨てやくざの世界で「男になる」までの心理を繊細かつ軽快に描く」んだって。