池澤夏樹さんの新聞連載「また会う日まで」が終わった。今日の朝日新聞に、池澤さんが、「連載を終えて」の一文を書いていた。
<「またあう日まで」は、ぼくにとって「静かな大地」、「ワカタケル」に次ぐ三つ目の歴史小説である。」と「書いていた。
この小説は、てっきり池澤さんの自伝小説と思っていた。
<この作の場合、史実は秋吉敏雄の親族から預かった資料、近代史に関する多くの書籍、インターネットに置かれた情報だった。>
上のように書いてあった。この小説は、史実に基づいての物語だったのだ。
<小説ゆえに許される逸脱の最たるものはMという人物である。海軍兵学校四十二期に秋吉敏雄と加来止男はいるがMは実在しない。ぼくはあの戦争を今の視点から、つまり半藤一利と加藤陽子の目で見したかった。それを体現したのがMで、だから気の毒だが彼には死んでもらわなければならなかった。早すぎたのだ。>
へえ、そういう小説だったのか。驚いた。本になったら全部を読んでみたい。加藤陽子さんは、例の、学術会議に任命されなかった、元東大の教授だ。