TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

朝日歌壇と朝日俳壇を今日も読む

 朝日歌壇は、今回も、常連の当選者で一杯だ。ほかに良い歌を出す人がいないのか、あるいは選ばれている方たちが秀逸なんだろう。

<振袖は母のおさがりニコニコと見ている母の青春まとう(富山市 松田わこ)>
 ⇒馬場あき子、佐佐木幸綱、高野公彦共選:選者の三人が選んでいる。永田さんだけが選んでいないが、永田さんんも実は大好きな歌の類だと思う。永田さんは、同じ松田ん(さいたま市 松田典子)の下記の歌を選んでいる。
<なき母の足踏みミシンのひきだしにボタンんのつまったペコちゃんの缶>
 ⇒永田和宏選: 「足踏みミシンが一家に一台あった頃の母。下句がいい。」と永田さんがコメントしている。

 ⇒朝日歌壇は、作者の名前を隠して選出はしていないと思うが、名前を隠しても、やはり松田さんの今回の歌は、選ばれるだろうと思う。そのくらい、日本の中流家庭の幸せを詠んでいる。「母のおさがり」という上の句と、「母の青春まとう」の下の句が見事に照らし合っている。私は四人兄弟の末っ子で上に姉が二人いる。貧しい家に育ったが、姉たちは代々の和服を着ていたりしたことがあった。五段くらいのお雛様も毎年飾っていた。

<蒼白く凍てつく月のアメリカで除夜の鐘の音スマホで聴けり(アメリカ 大竹博)⇒
馬場あき子、高野公彦共選: アメリカから投稿した人の入選が多い。日本への郷愁や、原爆を詠う歌が多いような気がする。

<抜きたての大根洗えば初めての光と水をはじく真白さ(観音寺市 篠原俊則)>
⇒馬場あき子選: 篠原さん、「世相歌」ばかりの歌人と思っていたが、このような繊細な「私歌」も詠む人なのだ。脱帽だな。私も大根を育てているが、このような新鮮な見方はできなかった。

<夜勤明けひとり麦酒を飲み終えてこれから私は昨日を眠る(北秋田市 高橋充)>⇒佐佐木幸綱、高野公彦共選: 
<左に富士右に浅間を見て走る荒川橋の風の強さよ(北本市 石渡正人)>⇒佐佐木幸綱選: 北本市は、群馬にも近いので、こういう風景があるんだと知った。

<算数の九九で一番すきなのは九のだんですかっこいいから(奈良市 山添聡介)>⇒高野公彦選: 山添君は、小学4年くらいかな?、次の歌も選ばれた。

<やまぞえが山ぞえになりそうすけが聡介に令和四年(長崎市 里 孝)>⇒永田和宏選:
⇒ 永田さんが、和泉市の長尾さんの歌も選んでいた。
<見終えたり見てしまいたり同病に自死せしひとのドキュメンタリー(和泉市 長尾幹也)
 さらに、馬場あき子さんがもう一つを選んでいた。
<よよろとバスのステップ上がるとき車内にしろく緊張はしる(和泉市 長尾幹也)>

以上から、今日の一押しは、

抜きたての大根洗えば初めての光と水をはじく真白さ観音寺市 篠原俊則)>