TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

『百歳人生を生きるヒント』(五木寛之)を借りてきて読んだ

 五木寛之さんの『百歳人生を生きるヒント』(日経プレミアムシリーズ)新書を稲城図書館の返却棚で見つけてきて読んだ。

 <大多数のひとびとが、この地球上で、この世界情勢で、壊れものとしての肉体と心をもって生きていくことを、かなりしんどいと感じている。私自身もそうですが、まわりの人たちも、みんな疲れている。いま何かをしても、また何もしなくても、疲労感がただよっている。>

 「序章」の「百歳人生に戸惑う人たち」のところで、上のように五木さんが書いている。書いていることはそのとおりなのだが、いまの日本で「百歳人生」を迎えられる人が多いというのは、戦争がなくて実は食うに困らない人がおおいからなのである。戦争の危機にさらされている、中東もアフリカもウクイラナとロシア国境の人たちも「疲労感」どころではなくて、命の危機にさらされている。だからといって、私たちが育った戦争のあとの昭和20年代にだれも戻りたいとも、戻れるとも思わないだろう。

 第四章は「七十代の黄金期」という括りのタイトルになっている。
 <七十は古稀に当たります。その古来稀、といわれた長寿の領域に、いよいよ足を踏み入れるわけです。>
 こう書いていある。ここでは、七十三歳で国学院大学に入学して学び直したコメディアンの萩本欽一さんや、京都で仏教を学び直した五木さん自身のことが紹介されている。そういえば、日野原さんが「新老人の会」の入会資格を75歳としたのもこの時期だ。それにしても、黄金期も楽ではないようなのだ。こういう件もある。
 <何も用事のない一日、仕事もない一日、だれからも連絡もない、連絡する必要もない一日。これは、黄金の一日です。>
 どうやら五木さんも、「黄金期の過ごし方」の正解なんてもっていないのだ。最後の「あとがき」に、五木さんは正直にこう書いていた。
 <以前、気力、体力、思考力が落ちて、なんとも憂鬱な時期がありました。その頃、喜びノート、悲しみノートというものをつけていたことがありました。今日一日を振り返り、ああ、よかったとおもったことを、簡単なメモに残す。それと同時に悔しかったこと、悲しかったことといったネガティブな感情も、短く書きとめておきました。そのような小さな足跡を刻むことで、私は、つかみどころのない人生の実感を味わおうとしたのです。>
 なんだ、そうなのかよ。五木さんも普通の人で、私とあまり違わないことをいっていると気がついた。五木さんのエッセイは好きでたくさん読んでいるから上のように感じるのかもしれない。
 最後に、「本書は2017年の夏から秋にかけて行われた著者へのインタビューをもとに構成・編集したものです」と書いてあった。

 ところで、新聞に、芸術院新会員に五木寛之さん(89歳)が選ばれた、決定は3月1日、と出ていた。
 ■芸術院て何だ?■

 一昨年位から任命をめぐって揉めている「日本学術会議」のことは話題を集めている。それでは芸術院て何だ。概要を記録と記憶のために書いておく。
 功績が顕著な芸術家を優遇するのが日本芸術院なんだという。会員は非常勤の国家公務員で年250万円の年金が支給されるんだという。今回任命予定の9人を含めると103人になるんだと。任期は終身なので、死ぬまで手当てが出るんだ。文化勲章と似てるのかな。芸術院は、「美術」「文芸」「音楽・演劇・舞踊」の三つの部がある。従来は、会員のみで候補を推薦していたが、「選考が閉鎖的」などと批判され、文化庁有識者会議が改革案をまとめたんだという。今回からは、文化庁が選んだ有識者が候補の推薦と絞り込みに加わり、投票は従来通り会員のみが行ったんだという。
 今回から新設の「マンガ」分野で、ちばてつや(83歳)、つげ義春(84歳)さんらも選ばれた。「ねじ式」のつげ義春の漫画は懐かしい。五木さんも、「さらばモスクワ愚連隊」や、デラシネ(根無し草)に見られるように、我らの時代(昭和40年)では、世間のはみ出し者だったはずなんだが。芸術院で年金もらうのもわるかないかな?