TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

世相が歌や句に響く―朝日歌壇、俳壇から

 世相が歌や句に響く。そんなことは当然なんだと知った。歌も句も暗く爽やかではない。
 
<老梅や今渾身の花ひらく(明石市 榧野実)>⇒大串 章選:
 こういう句を読むと驚く。古い梅の樹は幹がごつごつしていて枯れているようにもみえる。その幹から直に花がさいていたりするのを見る。驚く。
<国境の街へ街へと歩く春(吹田市)>⇒長谷川櫂選: こういう俳句が選ばれる時代が哀しいね。

<夜の闇に乗じて移動する軍をロシアは「平和維持軍」と呼ぶ(観音寺市 篠原俊則)>⇒高野公彦選:
<「蒼ざめた馬」の文庫を手に丸めロシアを恋ひて留年を決めた日(小松市 沢野唯志)>

ウクライナの民の命を奪う国ロシアが安保理理議長を務める(観音寺市 篠原俊則)>⇒永田和宏選:

 このような歌が入選するしかない時代にいまはいるんだ。

<枯れ山の枯木枯れ枝濃やかに木の芽吹く日の風のやさしさ(霧島市 秋野三歩)>⇒馬場あき子選:

<初めてのコロナ感染長かった十日が終わり明日は出社す(川崎市 中村真一郎)>

<若き日にチェーホフに知りし古都キエフ戦場となる春の日かなし(春日市 藤井量子)>⇒佐佐木幸綱選: 

<コメント>今週は、厳しい社会詠が多かった。下の歌のような、自然詠が嬉しい。