ロシア人のこともロシアという国のことも全くわかっていないんだな俺は、というのが正直な昨今の感想である。
こんな」という記事が載っていた。朝日新聞の記者が、横手慎二(慶応大学名誉教授)さんに聞いて、纏めたものだ。興味を持って読んだ。横手さんという方はどういう人なんだろう。
<「第二次世界大戦の勃発に匹敵する危機」との指摘もあるウクライナ侵攻。大戦当時のロシアはソビエト連邦で、独裁者スターリンが君臨し、勃発直後にドイツと共にポーランドを分割した。共に領土的な野心を隠さず、軍事力に訴える「プーチンとスターリン」という二人の強権的な指導者の比較から見えるものは何か。ロシアの政治外交を研究してきた慶応大学名誉教授の横手慎二さんに聞いた。>
このような趣旨の記事なんだ知った。横手さんはロシア政治の専門家だ。元法政大教授でロシア通の下斗米さんより若い世代なんだろうか。後で調べてみよう。記事から概要を読みながら纏めた。
(1)ロシアの外交政策はソ連時代から二つに揺れていた
①「西欧志向」:欧米に対して協調的―民主化が進んだ時代のゴルバチョフ、イエリティン。ユーㇻシア志向」:閉鎖的で対立も辞さない―東ローマ帝国から分化と宗教の伝統を受け継いだ、欧米と歯は異なる独自の文化を持つ文明国なんだ。スターリンやブレジネフ。
(2)スターリンとプーチン
①類似点: ユーㇻシア志向、軍事力偏重。
②違う点: ナショナリズムに対する考え。スターリンは、ナショナリズムから距離をおき、政治目標のために冷徹に利用した。一方、プーチンはナショナリズムと一体化。ロシア、ウクライナ、ベラルーシは、9世紀に成立した国家「キエフ・ルーシ」を文化的な祖とする。「ひとつの民族」としている。理性を超えた「愛国の情念」が、侵攻の最大の理由だろう。
(3)社会の民主化が進むには、民衆と支配者の間にあって、経済的に自立した社会階層が台頭することが必要だ。しかし、ロシアでは国家の後ろ盾なしに、経済的に成功することは困難。
<コメント>
興味深い分析の記事を読んだ。ロシアの失敗の本質は、(3)の記述のところにあるのだと思った。もしかしたら、ロシア人とはもともと働くのを好まないという民族性もあるのではないか。「物臭太郎」の伝統が下にある。それに比べて、日本人は働くのが好きな民族性がある。京セラの創業者の稲盛さんなどを思いだすと、そのように思う。