リュウグウの砂の入った「はやぶさ２」のカプセルが豪州に帰還したのは2020年12月だった。あれから1年半が経過したのだった。標記の記事は画期的なので概要を新聞記事（2022年6月6日、朝日新聞）から、記録しておきたい。
＜宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）の探査機「はやっぶさ２」が地球に持ち帰った小惑星「リュウグウ」の砂から、アミノ酸が20種類以上見つかったことが関係者への取材でわかった。＞
われわれの身体のタンパク質はアミノ酸からできている。してみると、生命のもとになる物質が宇宙由来である可能性を後押しする結果となりそうだ。
ヒトのたんぱく質を形成するアミノ酸は20種類。そのうち、体内でつくることのできないイソロイシンやバリンなどを確認できたんだという。コラーゲンの材料になるグリシンのほか、うまみ成分としてしられるグルタミン酸もあったという。
こうしたアミノ酸は、もともと、46億年前に誕生したばかりの地球にもたくさんあったという見方があるんだという。しかし、その後、地球はマグマに覆われた時期があり、いったん失われてしまった。地球が冷えた後に飛来した隕石がアミノ酸を改めてもたらしたのではないかと仮説があり、今回の結果はその仮説を補強する結果となりそうだ。
「はやぶさ２」は初めて月以外の天体に着陸して砂を持ち帰った初代「はやぶさ」の後継機だ。初代が訪れた小惑星「イトカワ」や月からはアミノ酸は見つかっていなかった。
（上記は、小川詩織さんの記事から概要をまとめた。）
■はやぶさ2の軌跡
2014年12月 種子島宇宙センターからＨ2ロケットで打ち上げ
2018年6月 約30億キロを飛行し、小惑星「リュウグウ」に到着
2019年2月 1回目の着陸に成功して、表面の砂を採取
2019年4月 史上初めて小惑星に人工クレーターを作製
2019年7月 2回目の着陸に成功。地下にあった砂を採取。
2019年11月 地球に向け、リュウグウが出発
2020年12月 砂が入ったカプセルが豪州の砂漠に帰還
2021年6月 JAXAが初期の分析結果と本格的な分析の開始を発表
＜コメント＞今回のような、ニュースに接すると、いまも殺し合いをしている人類（人間）の愚かさが哀しくなる。中国は独自に、宇宙ステーションを着々と進めているようだ。今も宇宙にある、国際宇宙ステーションへ行くのには、米国の民間ロケットとロシアの宇宙ロケット（ソユーズ）だが、今後の展開はどうなるのだろう。国際宇宙ステーションに今も滞在している、飛行士、研究者はどうしているのだろうか。
