国立ハンセン病資料館を漸く訪れた。新宿から西部新宿線で久米川まで45分くらいい。そこからバスで20分くらいで到着した。家を8時42分くらいに出たので、2時間余を要した。
<社会復帰のみが更生ではない。歩けないものが歩き、箒を持たなかった者が箒を持ち、フォークを持てなかった者がフォークを持つことが更生である。自主自由とはかかることを意味しなければならない。>
(田代馨 多磨全生園 「不自由者の自主性ということ」)
企画展「生活のデザイン」のほか、常設展もみてきた。
「デザイン展」では、かつてハンセン病患者の強制収容の場であったハンセン病療養所で作られ、使われてきた自助具、義肢、補装具のの事物や、関連する文学作品、写真など280点が展示されていた。あまりにも多彩であり十分には見ることが時間切れで無理であった。
常設展では、ハンセン病という特殊な(と思われてきた)病の歴史と日本社会でどのように捉えられてきたかが経時的に分かるような解説がブースごとに説明されていた。
最後のブースでは、患者自身の生の声を録音したものをイヤホンを付けて聞くことができた。わたしは、こだま雄二さんという、詩人となった患者さんの言葉を聞いてきた。この方は、ハンセン病を発症した母をもち自らも感染して七歳で療養所に入所したかたとのことだ。
ハンセン病の患者さんとその家族が如何に苦しんできたかに接すると、日常を生きることに感謝と恭順の気持ちが湧いてくる。
続く