TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

秋近し歩き疲れて風感じ―「ニッポンの小説2」を読む

 秋近し 歩き疲れて 風感じ

 16時15分頃から散歩に出た。拙宅は川崎市麻生区にあるが、少し歩くと町田市を超えて八王子市に至る。右まわりに戻ると多摩市に入り、東に戻ってくると稲城市にぶつかる。稲城市若葉台に図書館の分館があり定点の立ち寄り所である。リクエストした本を借りた。小島信夫『残光』、芦原伸『北海道廃線寄稿』、穂村弘『はじめての短歌』、福田甲子雄『忘れられない名句』、「週刊新潮 8月4日号」である。図書館のある街に住む幸せを感じる。

 帰宅した。簡単な夕食を済ませてから、高橋源一郎『サヨナラ ニッポンーニッポンの小説2』を読んだ。<6「凡庸なものたち」の運命にこそ深い関心を払わねばならない」の章を読んでいる。ここでは、綿矢りさ『夢を与える』を俎上に載せている。高橋さんという人は、ポストモダンというだけに、極めて本格的な議論を突然ときどき始めるのである。この章は至極まともなのである。面白い。高橋さんは、何回も結婚しているので50歳近くなって、また子育てをしている。またというが、もしかしたら若い時には子どもを作ったが、子育ては奥さんに任せてやっていないのかもしれない。

<小説は、「凡庸なものたち」の運命にこそ深い関心を払わねばならないのである。>
何て、書いている。

<先生、これ、なんの引用?『残光』です!サンキュー。>

 まったく、高橋さんの書くものは油断も隙もならない。だが、何を言いたいのかはわかる。

 『残光』も手元にある。2006年に小島信夫さんは亡くなった。ゴルバチョフと同じ91歳だった。