TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

朝日歌壇と俳壇を読む―世界の不安が歌に出てくるんだな

刈り草やぐっと押し出す一輪車(熊本市 坂口ちか子)⇒小林貴子選:

 ⇒9月になって、畑道を散歩していると、雑草の天下である。畑では夏野菜を撤去して、秋野菜の種まきが盛んだ。坂口さんは、農家のかたのだろか。 「刈り草や」で、刈り取った雑草を一輪車に載せて捨てに行くのだそうか?光景が目に浮かぶ。

 次に、歌壇に移る。今週も常連の歌人が入選していた。

<戦争は祈りだけでは止まらない、陽に灼かれつつデモに加わる(東京都 十亀弘史)>⇒高野公彦、永田和宏、馬場あき子、佐佐木幸綱の4人の選者が全て選んでいた。十亀さんは、かつて獄中歌人だった。いまは東京都在住のようだ。この歌は、いつのデモを詠っているのだろうか?ウクライナ侵攻反対のデモ行進があったのだろうか? いまから55~56年くらい前に、学生時代に「ベトナム戦争に反対する平和連合(べ平連といった)」のデモ行進に参加したことがある。手を繋いで、走ったりするフランスでもとかにも参加したことがある。でも、デモ行進に参加しても、これで何かが変わるとは思えんかった。連帯感も感じなかった。時は、大学の構内の安全地帯でデモをしてもどうしようもないと思ったりした。大学内の全共闘運動にも何かしっくりこなかった。こういう、私からみると、十亀さんの歌も全員が選ぶような歌だろうかと思ってしまう。この歌は選者の感性を試しているような歌かもしれないと思う。

 <デラウェアは母の好物デラウェアが美味しいうちにプチ親孝行(富山市 松田和子)>⇒高野公彦選:
 わこさん、また選ばれた。いい歌だ。松田梨子さんの妹だろう。歌詠み姉妹は美しく成長している。

<一年前の自分と比べ衰弱す想像なすだに怖し五年後(和泉市 長尾幹也)>⇒永田和宏選:
 長尾さん、難病を患っているが、歌で強く生きている方だ。今週も入選した。

世相歌、戦争歌が今週も多い。個人の心や風景を詠う歌が読みたい。