TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

『がんを悪化させない試みーステージ4の緩和ケア医が実践する』を読みながら考える

 たとえ医師であっても、がん治療とケアが専門の医師であっても、自らががん患者になって見ると、藁にもすがりたい普通の患者と同じなんだと、この本を読んで感じた。
 今回は、
第四章 DE糖質制限ケトン食
第五章 次なる戦略
    ・クエン酸療法
    ・クロノテラピー
    ・丸山ワクチン

について触れておきたい。
 ① 宗田哲男著『ケトン体が人類を救う―糖質制限でなぜ健康になるのか』(光文社新書、2015年)
 ② 福田一典『ブドウ糖を絶てばがん細胞は死滅する―今あるがん細胞は死滅する!―いま」あるがんが消えていく「中鎖脂肪ケトン食」』(彩図社、2013年)

 山崎さんは、上の二冊の本に注目した。「糖尿病性ケトアシドーシス」は意識障害を伴う生命に危険な病態であるあことは、医師の常識なんだという。つまり、ケトン体は身体に悪いんではないだろうか。その「ケトン体」ががんを消すなんてどうしてだ?

 ①の著者の宗田さんは、自ら糖尿病患者で産婦人科医なんだという。「血糖値を上げるのは糖質だけである。糖質をとらなければ、血糖値は上がらず、糖尿病にはならない」との示唆をある本から受けたんだという。「ケトン体」とは糖質ではないんだ。「ケトン体」って何だ。調べるとこう書いてあった。
 <ケトン体は脂肪の合成や分解における中間代謝産物であるため、通常、血液中にほとんど存在しないが、糖尿病や糖質制限、絶食など、脳や筋肉のエネルギー源である糖質(グルコース)が利用できない時に代わりのエネルギー源として使われる。>
 宗田さんは、「糖尿病性ケトアシドーシス」は、「糖尿病せいアシドーシス」と呼ぶべきと明言する。つまり、悪さをするのは、糖質でありケトン体でない。「ケトン体には毒性もなく、強い酸でもない」と宗田さんは言う。
 ②の著者、福田さんは、「糖質制限ケトン食」が癌を消すと言っている。山崎さんは、福田さんの本を綿密に読んで、糖質制限が「がん細胞」を攻略する手段になり得ることを、次のように纏めている。

糖質制限によって、がん細胞へのブドウ糖供給量を減少させ、同時に血糖値の上昇を抑制し、インスリンの「追加分泌」を抑制することで、癌細胞の増殖を抑制することが可能になる。
・また、ケトン体は、赤血球と肝臓を除く正常細胞にとって、糖質に代わる安全なエネルギー源になるだけでなく、抗がん効果も持つ。

・ゆえに、「糖質を制限し、ケトン体を多く産生するケトン食」を実施することで、がん細胞をの増殖を抑制し、がん細胞だけでを弱らせ、正常細胞は元気にするという古川医師の基本的なb考え方は、達成できることになる。

 また、古川医師、EPA(エイコサペンタエン酸)が、癌治療に役割を果たすと言っている。そこで、山崎さんは、「EPAたっぷり糖質制限ケトン食」にチャレンジした。ここからが、医師の山崎さんのすごいところだと感じた。普通のひとではなかなか真似ができない。EPAが鯖の水煮に含まれているので、それを実行しているのだ。ある日のメニューは以下のようだ。
 〔朝食〕 イワシ水煮缶詰1缶190g
 〔昼食〕 たまごサラダ 80ℊ、カマンベールチーズ6Pチーズ一箱、鶏唐揚げ2個(糖質制限のため衣は除去)
 〔夕食〕 たまごサラダ1個、豚バラ肉100g しゃぶしゃぶ、

 1日の総摂取栄養成分は、合計で、糖質11.6ℊ、 タンパク質 111.5g、脂質 212.5g、以上で、総摂取カロリーは、合計で2404.9 kcalであった。

 上のような記述を読むと、素人にはなかなかできない食事療法であると思う。

 その後、前述の古川医師が、『ビタミンDとケトン食 最強のがん治療』(光文社新書、 2019年)という新しい本を出した。癌治療のためには、適切なビタミンD濃度とケトン食の両方が必要というのだ。山崎さんは、これも取り入れて、「DE糖質制限ケトン食」に挑戦した。
 その結果、数カ月の限定であっても、腫瘍縮小効果があった。それは、とりもなおさず「無増悪生存期間」でもあり、延命された時間であるという。
 さらに、山崎さんは、福田医師の新著『クエン酸ががんを消す(彩図社、2019年)』を参考に、「クエン酸療法」にも挑戦している。また、山崎さんは、「丸山ワクチン」にも挑戦している。

 さて、本日は、標記の本の第5章まで読んできた。感じるのは、山崎さんの試みはすごいことだ。私はここ20数年、C型肝炎ウイルスと糖尿病をかかえて生きてきたのだが、なんとも節操のない患者だっと感じてしまう。